厳選日本酒手帖
20150325 「厳選日本酒手帖」
酒サムライサポーターズクラブの戸塚豊大さんが丁寧に読み込んで紹介してくれました。
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全国の銘酒を次々と紹介していくというタイプの本はたくさんありますが、この本が変わっているのはボトル全体の写真ではなく、ラベルだけをきっちりと掲示しているところ。特に「スタンダード」つまりその蔵を代表する一品のラベルは、このサイズの本としては可能な限り大きく、中に書かれている小さな文字までが読み取れるくらいに見せてくれていることです。ラベル・コレクターの方には教科書のような一書となるかもしれません。
初級者オヤジの日本酒修行 by 戸塚豊大 第18回「これは素晴らしい、日本酒大全集」
久々に「初級者レベルにありがたい」感じの良本に出会いましたので、そのご紹介などひとつ。山本洋子さん編・著『知ればもっとおいしい!食通の常識 厳選日本酒手帖』(世界文化社)。新書サイズながら全ページ総天然色(古!)というプチ・ゴージャスぶり、最新日本酒情報満載の一冊です。昨年の11月に初版刊行….少々乗り遅れましたんで、「とっくに読んだよ!」という方はご容赦くださいね。全国から文字どおり厳選された108蔵をピックアップしての「日本酒図鑑」が、構成のメインとなっています。おおむね1ページに1蔵、女性らしい鋭い感性と豊かな表現、女性らしからぬ(失礼!)きりりとした文体で、蔵の論評とともに「スタンダード」「季節限定」「蔵元お薦め」の3酒類を紹介してくれています。(コラムページなどに紹介されたものも含め、掲載酒類は350以上にもなるでしょう。ちゃんと数えてなくてゴメンナサイ!)
単なる「日本酒図鑑」ではないですよ。
合間に挿し込まれる「酒column」は、まだまだ知らなかったミニ知識や酒飲みにとっての心得の玉手箱。蔵元直々の寄稿による(と思われる)ページは、まるで酒蔵見学に伺ってお話を伺っているかのような迫力です。この本の大きなテーマと言ってもいいくらいに重きが置かれているのが「米について」のお話で、掲載されたすべてのお酒が純米酒(税法上そうならないものも含む)、という編著者のこだわりが見られます。
まだあります。
ふっと気が付くと、蔵紹介のページのうち右側(この本は横書き仕様なので奇数ページになります)の端っこには、小さな文字ながら1行で「日本酒用語の基礎知識」が記載されています。(老眼にはちとキツイ級数….)各蔵の概略を説明する見出しには英文対訳、銘柄には英字表記が付いて、おまけに巻末には銘柄の英字INDEXも掲載されていますので、外国人の方でもラベルと英文を照らし合わせることができます。
その巻末には、全国の有名酒販店リストも掲載しています。しかもしかも、「酒column」のラストにはIWC=インターナショナル・ワイン・チャレンジのことについて、歴代のチャンピオンSAKE(もちろんラベル写真付き)とともに紹介してくれているんです!まさに、最後の最後まで見どころ読みどころたっぷりです。
あえて欲を言わせていただくならば、ワシの地元・茨城はじめ関東圏の蔵をもうちょっと紹介していただきたかった、ということくらいでしょうか。でもこれは、編著者自ら冒頭で(ものすごく小さな文字ですが)「泣く泣く掲載を見合わせた銘柄が山のようにあったことをお断りしておきます」とおっしゃってますように、仕方のないところ。
ならばその分、ワシがここで、できるだけ多くの近隣の蔵をご紹介できるように、以後頑張りましょう!
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20150114アマゾン・グルメ一般部門で「一番ギフトとして贈られている商品」に選ばれました。感謝でいっぱいです!
↓本をご紹介いただいたHPです
・近藤淳子さん「日本酒を識る」
【美酒アナウンサー日記】山本洋子さんの「日本酒を識る」がオススメ
・今世界で話題のJAPANESE SAKEがわかる『厳選日本酒手帖』
・http://www.jiji.com/jc/prt?k=000000047.000009728
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20141110
発売!
おかげさまで「厳選日本酒手帖」アマゾンの部門別一位に!
ありがとうございます!
この本は、手帖サイズの小さなハンディ本ですが、小さい中に思いをぎっしり詰め込んでいます。
お酒は、米から真剣に考えた酒蔵の純米酒を紹介。米から造る日本酒は、この国にとって深い意味を持つこと。田んぼだけではなく、山の杉も重要な役割をしていること。農業、林業、窯業まで、伝統産業が深く関わる日本酒。少しでも興味を持ってもらえたらと願って編集しています。
とはいえ、誌面がまるで足らずで、ご紹介したいお蔵、お酒全部とはいきませんでした…。
何かの機会に見ていただければ幸いです。
/何かの機会に見ていただければ幸いです。
●竹鶴酒造さんでの訂正
広島県・竹鶴酒造さんの商品で、通年商品にも関わらず、販売期間が6〜8月と記載されたお酒があります。赤字修正が反映されなかったもので、通年商品の間違いです。申し訳ありません。ただし、今、大人気銘柄のため、お待ちいただく場合があるかもしれません。
竹鶴の石川杜氏のお言葉は、毎回はっとさせられることばかり。常に「酒とは何か」を考えさせられます。今回の本で、寄稿していただきました。 竹鶴酒造のこと、石川杜氏のこと、あらためてご紹介します。
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●残念だった「英語でひとこと」企画倒れの巻
この本を編集するにあたって、酒蔵さん、酒販店さんにアンケートをお願いしました。推薦していただくお酒について、「英語でひとことでいうなら?」を答えていただいのです(酒器やおつまみも答えていただきました)
Fruity Rich Sharp Elegant Wildなど、例をつけてお願いしたのですが、面白い珍回答も続出。それはそれで、そのお酒を表していると思ったのですが、ネィティブのプロ翻訳者が「?」、出版社の上の方も「意味がわからない」と。なんと校了日前日に、全部外すという事態に(涙)。修正いただいたデザイナーの木村さんには、ご迷惑をおかけしました。
英語でひとことで表すのは面白い!と思ったのですが……企画倒れの巻 m(__)m
●酒蔵を選ぶにあたって
全量純米蔵、または純米にシフトしている蔵、米を栽培する蔵、地元の米をメインで使う蔵を積極的にセレクトしました。
米・米麹以外の原料を各種添加した普通酒を製造する蔵はゴメンナサイ。
せっかくいいお酒があったとしても、蔵名を覚えて、間違えて普通酒や合成清酒を購入したら残念なことになります。
(純米メイン蔵の普通酒には素晴らしいものが時々あり、本で紹介しました)