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October 19, 2008
岡山・稲刈りツアー5 窒素量違いの実験田
山田錦の玄米ご飯弁当をいただいた後は、田んぼでお勉強。
稲は間隔を広く植え、風通しと日照を考慮。 ポット苗で植えています。
窒素量違いで実験したという4つの田んぼを見学しました。
まず、1つめは窒素が10アールあたり2kgの田んぼです。
化学肥料の三大栄養素は窒素、リン酸、カリですが、化学肥料にはこの三成分がほぼ2:2:1の割合で含まれているそうです。2kgというのはこの田んぼに入れた化学肥料のうちの窒素成分の割合の重量です。
この田んぼの稲はしっかりした葉が黄色味がかり、籾も大きく粒揃い。たわわに実ってそれはご立派。
こちらは三黄の稲(さんおうのいね)という育て方です。
一度目は苗の時、二度目は少なめの肥料が切れる夏場、三度目は刈り入れの時期、都合三回稲が黄色くなるのが三黄の稲づくりだそうです。
そして、2番目は窒素量が10アールあたりゼロ(まったく入れなかった)田んぼです。
こちらの田んぼは肥料をまったく入れてません。
近くで手にとって見ると籾が小さく、すかすかしていて、見るからにひ弱そう。葉も青く、倒れやすく危険な稲。慣行栽培で肥料を入れないと、こんなさびしい稲になってしまうことがわかりました。
もちろん、
何年もかけて土を作った有機栽培は別ですよ!
そして
3番目の田んぼは10アールあたり4kgの窒素量。
4番目の田んぼは10アールあたり8kg。*一般的な飯米(はんまい)の田んぼはこのくらいの窒素量が平均だそうです。
3番目と4番目の田んぼの稲は粒も大きくたわわに実っていますが、葉が大きく、背が高く育ち過ぎて倒れていました。
↑いっせいにお休み中。
普通の慣行栽培の田んぼでは成長抑制剤を使って、倒れないように、稲を低く育てるそうです。窒素8kgと成長抑制剤を併用し、収量を上げると同時に粒を大きくしているとか。
倒れた稲を持ち上げると胸の高さまでありました。
でも、実はたわわ。葉の色はまっさお。
「不自然にあおあおした色の葉っぱを見ると気持ち悪いです」と丸本さん。
「山田錦」は原生種に近いため、種じたいが強く、肥料の量は少なめでよいそうです。
有機栽培の田んぼの場合、飯米だと1反あたり4俵くらい
が標準ですが、丸本さんのところの「山田錦」だと5俵は収穫できるとか。それも「山田錦」のなせる技。「山田錦はオーガニック栽培に向いている品種なんです」
余談ばなし。
*同じ田んぼでも肥料が多くなると「土が濡れっぽく」なり、多すぎると「土が腐って」しまい「土を舐めると酸っぱい」のだとか。時々、土をなめて確認するそう。「よかったらなめてみてください」
*飯米の開花は一斉にパッと咲いて、パッと散りますが、山田錦はパラパラ咲き始めて、バラバラに咲き終わり、花の咲いている期間が長いそう。これも原生種に近い山田錦ならでは。
↑10アールあたり窒素2kgの田んぼの稲。
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