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February 6, 2010
石綿敏久さんの腐らないキウイ その2
キウイの病気でやっかいなのが「かいよう病」といわれています。かいよう病になると、木が枯れて、それがあちこちに飛び火をし、畑中の木が全部枯れ、産地までもが全滅することもあるという恐ろしい病気とか。
かいよう病になった木を鋏で剪定し、その鋏で他の木を剪定するだけで、うつってしまうそうです。
チャレンジャー石綿さんは、あえて病気の枝を切った鋏で、自分のキウイの木をカット。
結果は、
うつらなかったそうです。
あえて、病気の木とつぎ木をしてもうつらなかったとか。
「それはなぜかというと、木が健康だと病気はうつらないってことなんですよ」
人間の体と一緒で、健康ならば、病気にふれてもかからない。うつらない。
かいよう病にかかるキウイの木は、肥料をたくさんかけた木。「肥料をやると木が弱くなる」と石綿さん。
「かいよう病は人間の作り出した病気。肥料をたくさんやって育てることで生まれた病気です」
そして
「肥料を与えたキウイと、うちのキウイは外観は似ていても、中身は全く!違うんです」
さまざまな実験に取り組む石綿さん。3種類のキウイを常温で瓶詰めし、5年経過したものを見せてもらいました。
左から慣行栽培のキウイ、とある人が育てた有機JAS認定取得のキウイ、石綿さんの有機JAS取得かつ自然農法のキウイ。
一番左の慣行栽培のキウイは真っ黒くろすけ。半分ぺしゃんこになって実から水が出て黒い汁につかって、すごい事になってます。「激しいにおいだよ。僕はいいから(笑)、においかいでみて!」
とんでもない腐敗臭。。。それはそうだろう、5年たってるんですから。常温で。
驚いたのは
石綿さんと同じ有機JAS認定取得の別のキウイ。
あれ、実が破裂。蓋もさびてしまっています(慣行栽培のものよりはマシですが)
「…と、いうことなんですよ」
そして石綿さんのキウイ ↓
底になっていた部分は凹んでますが、キウイの色、形はそのまま。においは甘酸っぱくてジャムのよう。発酵して濃厚になった感じのいい香りです。
蓋も傷んでいません。へ〜っ。ほ〜っ。違う! どういうこと?
それから、栽培に最も大事なのは「気持ちなんだよ」と言っておられたのが印象的。
再び畑の話し。
3月初めまでに、今、上に出ている枝の半分を剪定。これが大変な作業とか。今、この作業の真っ最中。3月中旬になると切り口から白い樹液がたれてくるのだそう。「忙しいのに、いろんな人がくるんだよ〜」 ああ、ええ。すみません。
●石綿さん語録
「植物は窒素、酸素も栄養にしている。微生物がキウイの栄養をつくっている」
「植物は肥料をやりすぎると栄養過剰で虫をよぶ」
「技術的には有機は誰でもできる。販路がないだけ」
「この辺では、平均5〜6回農薬をかけている。肥料をあげる→農薬が必要になる。肥料を多くすると農薬も多くいる」
「最近の異常気象で心配なこと。平成5年の9月中旬にキウイの葉が全部落ちた。原因不明だった。あとで調べたら光化学スモッグ警報が出た日。最近ますます光化学スモッグが増えてきた。中国の影響だと思う。キウイの葉が落ちたのは気象災害。雨が多いとか、日照が少ないとか、多少は心配だけど、僕にとって恐いのは光化学スモッグだけ」
「適地適作が大事。夏場に小松菜を作ると虫がつくので夏に作っちゃだめ。消費者は1年中ほしいというが、それはリスクをともなう」
『小田原 未来の食卓シンポジウム』で見せてもらった田んぼの写真です。慣行栽培の田んぼは雪が降ってもなかなか溶けない。対して、有機栽培の田んぼはすぐ溶けるという。
「有機農法をやってる人は、有機の田んぼは地熱が高いことくらい皆な知ってるんです。でも、アピールすることを知らない」
近所の小学生に米づくりを指導している石綿さん。小学生にどうやったら農業がわかるかを考え、写真や絵を見せて説明を。どうりで!私にもわかりやすかった。先日は議員の方にも説明を頼まれたそうです。「百姓のおやじは忙しいのにさっ」
○おまけ
ボーイズライフをおくる石綿さん。イケメンくんです。
つづく
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