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December 29, 2010
醸造半島・澤田酒造さん
蔵元さんとの出会い方はさまざま。白老醸造元・澤田酒造の澤田郁子さんとは『女性蔵人の会』この会は酒に合う一品を蔵元が用意する趣向で、郁子さんは長期熟成した南蔵商店の豆みそを持参。大豆も塩もまともな原料を使った木桶2年熟成もので味わい満点!これにきゃらぶきの佃煮と焼き海苔というシブい組み合わせ!なぜこれを選んだか、聞けば聞くほど頷くことばかり。すっかり郁子さんに惚れて♥しまったというわけです(笑)
発酵を追求する酒蔵は同じ発酵である調味料にこだわる人も多いです。酒だけがよくて醤油や味噌や酢は何でもいいなんてありえないですからね。ですが、そうでもない〜!?蔵関係者がいるのも事実。
酒は酒のみにあらずで、同じ口に入るものは皆な同じと思います。酒がよく、調味料がよく、野菜がよく…。それが揃えば、塩茹でした青菜に醤油たらりで、幸せな晩酌に!
その後日、郁子さんにお話を聞く機会があり、ビックリしたのは「こしきを新調」したこと!
そして梅酒へのこだわりです(この話も大感動★これは後日また!ダイジェストに言うと江戸時代の文献を手がかりにした古式製法で灰が秘密。灰は濾過に使うのではありませんよ。だから低糖にでき、しかも使う糖は北海道産原料という)
さて、その「こしき」、漢字で書くと「甑」
affで取材させてもらいました。以下aff記事より
高温の蒸気にさらされる甑は耐久性が求められ、技術的にも難しく、桶作りとは材料の木から組立方まで異なり値段も高い。甑の注文は減り、跡継ぎは不在。甑職人は絶滅寸前という。
澤田酒造(=通称・北蔵)が甑を8年前に新調した時の職人・石川喜一さんは当時95才。体力仕事は難しい年齢だが、喜一さんは車で40分の道のりを自転車で颯爽と現れ、陣頭指揮を取りテキパキとやりのけたという(残念ながら4年前に他界)。
これがその甑です。蔵主・澤田研一さん。身長が高いです。157cmが入ると大きさがより分かる!?
年に1度、蔵開放をしている澤田酒造。来場者に分かりやすいようにと澤田さんが書いた説明文。蔵内の各所にあり。わかりやすい!
研一さん、農大出身。
お邪魔したのは10月30日。蔵人せっせとお掃除中。
蔵のあちこちに木製道具が。待機中の麹蓋。
木の道具を大事にしていますが、木製の手作り道具は、当然お高い。「道具のために働いているみたいで」と苦笑する郁子さん。
とはいえ、使う事、作る事でしかこの技術を残すことはできません。
甑を新調したさいは、たくさんの技術者が勉強にこられたそうです。甑専用のカーブ定規など「甑」製作のためだけに使われる道具もあり「この技術がなくなってしまうのは本当に残念」と澤田夫妻。
「喜一さんの甑は高温で米を蒸しても、ほんのり温かい。断熱性が高く、余分な水分を吸うため外硬内軟の理想の蒸し米ができるのです」と研一さん。
ひんやりした蔵内。
もろみの経過がわかる写真つき説明文も。単独のタンクを見ても素人にはわからないので助かります。
木製の床にビニールを貼った部屋もあり。
ちょっとビビる急階段(汗)
熟成酒が多い澤田酒造。アップリケされたキュートなのぼり!
研一さんいわく「知多半島は醸造半島なんです!」
「中部国際空港セントレアに近い知多半島は、海運の便が良く、江戸時代から醸造業が盛んでした。最盛期には200以上の酒蔵に、酢、たまり醤油、みそ蔵と醸造蔵が勢揃いしたのです。数こそ激減したものの、伝統製法にこだわる蔵が今も残ります」
お庭には常滑焼きを象徴する大きな水かめが。
じつは澤田酒造さん、週に1度だけ食と酒が楽しめる場も設けています。
その名も「常滑屋」。研一さんと郁子さん、六代目の薫さん。
蔵で使っていた木材も多用。常滑焼きに地の魚など。
お刺身醤油はたまり、豆味噌を生かした料理。たまり、豆味噌は南蔵商店製。販売も。
噂の梅酒です。土管の椅子!
セントレア開港記念につくられた「夜間飛行」ぷぷぷなネーミングの純米大吟醸3年古酒。
お酒のメニューと常滑屋のマダム!
「知多半島は伊勢湾から魚介類が上がり、料理を盛る常滑焼きがあり、発酵食品すべてが揃う。まさにおいしい半島なんです!」
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●おまけ。
皮のおいしさに感動!ご当地饅頭
澤田酒造さんで出していただいた酒饅頭です。
ご近所、稲垣屋製菓舗謹製の「酒素(さけもと)饅頭」。ふわ〜んとお酒のいい香り。やわらかもっちりの皮が美味! なんでもどぶろく免許を持った饅頭屋さんなのだそう。だから、生地が違う!
じつは甘いあんこが苦手なので、失礼と思いつつ郁子さんに「皮だけ(もっと)食べたいです(笑)」と言ったら「あら、うちの娘と同じこという(爆)」薫さんも甘いの苦手なんだそう。
それくらい皮がおいしい! さすが醸造半島のお饅頭★
常滑焼きの狸さん。
石川喜一さん95歳。遺作の甑
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