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April 26, 2011
☆杜氏語録追記・夏田冬蔵
天の戸・森谷康市杜氏が醸す『純米大吟醸 夏田冬蔵 中取り 無濾過 生酒 2011 秋田酒こまち40』
清涼感あふれる、とことん美しい純米大吟醸酒です。
アルコール度数が17度あるのに、アルコールを感じさせません。清らかでするり、身体になめらかに沈んでいくようなきれいな味。
パール色した絹糸を1本ずつ織り重ねたような、緻密な味の層。重さはまったくないのに印象は、深い。
杜氏いわく
この造りは、「飲む人を喜ばせるために酒をつくるんだ」
あらためて肝に銘じた年でした。
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浅舞酒造は地元の米だけで醸す酒蔵。その米は半径5kmの米だけ。しかも今季の造りから仕込むのは純米酒のみに。潔い酒造りの決意表明。夏は田んぼで米づくり、冬は蔵で酒づくり。1年を通した米とのつきあい。杜氏のすべての思いが表れた1本に感じました。
●訪問記 天の戸、森谷杜氏に教わる一品
この味を生かすのはどんなグラスなのだろうと、いろいろなグラスで試したところ、ソーヴィニヨン・ブランなど、白ワインのグラスが、このお酒の味をより輪郭くっきりと楽しませてくれました。
☆追記。夏田冬蔵杜氏よりメッセージをもらいました。ご本人の許可を得たのでご紹介します。
「あの時」以来、「酒は何のためにあるだろう」と考えました。
あまりにも悲惨で、とんでもないことでしたから。
しかも「酒は救援物資ではないので」と言われ、
かと言って何もできないことがどこかしら「おいてきぼり」のようでなぜか切なくて。
何度も繰り返し考えていたら、
「ちょっと酒をいじってるからっておこがましい。≪酒は何のためにあるだろう≫ なんて冗談じゃねぇよ」って、
逆切れ状態の、とうの「酒」が問いかけてきました。
「じゃ聞くけど、あんたにとって酒って何なの? まずそれから聞こうか」って。
・・
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浸透圧と浮力
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自分に合ったおいしい酒って何の抵抗もなくからだにしみわたります。
「浸透圧があってるな」って感じあります。
そんな酒は心と体を「ふわっ」と軽くしてくれます。
浮力を感じます。
とてもぜいたくな浮力です。
・」
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心と体を酒が同調
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体が疲れているのになぜかハイテンションだったり、
ちょっとつらい時が思ったより長引く時。
そんな心と体の骨盤がずれている時。
いい酒が添い寝してくれます。
小さな声で語りかけてくれます。
「さぁ、ゆっくりしていんだよ。もう寝よう。明日の朝はちょっとだけ違ってるよ」って。
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飲み相手
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いい酒を目の前にするといい肴がほしくなる。
いい肴を目の前にするといい酒がほしくなる。
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いい酒を目の前にするといい飲み相手がほしくなる。
いい飲み相手を目の前にするといい酒がほしくなる。
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相手を見送って、「いい人と巡り合ったな」と言える時が一番幸せ。
・・
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明日のための踊り場
・・
一気に上まで駆けあがらなくてもいいんじゃないかって。
一杯飲んであたりを見渡してみる。
踊り場で少し足踏みして呼吸を整えて、
方向転換。
ジクザグジクザク登っていこう。
・・・「
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馬の前の人参
・・
午後のおやつは甘い物を控える。
夕方四時ごろになると、
「今日はなにを飲もうか」考える。
戸棚、冷蔵庫…すべてを一瞬にして棚卸。
「方向性」が決まると、
「じゃ、もうひと踏ん張り」と仕事に集中。
・・・
心も体も必要とするもの。
毒にもなりかねない「酒」を
文化までに押し上げているのは
人類の英知。
・・・・・それとも、
のん兵衛のあくなき探究心。
・・
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酒を飲んで「おいしい」ってにっこりする。
自分もそうだし、
そんな場面に出くわそうものなら、うれしくてうれしくて。
・・
変なもんです。
大好きな「酒」のことを考えていたら、
すごく気持ちが軽くなりました。
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さぁ、今晩はなにを飲もうかな。
・
・冬蔵
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