« ピノノワールとおつまみ | Home | すみれ咲く »
March 25, 2008
漆器を新しく
久しぶりに器を買いました。ひと目惚れです。溜の漆椀。
ガラスのような艶、そしてシャープなフォルム。ひっくり返してもスマート。これなら他の食器とも相性が良さそう。
ひと目惚れした一番の理由は、この極薄手感。天然木ならでは可能な薄手です。だからこそこのデザインが成り立つのでしょう。木の粉と樹脂を固めて形を作り、ウレタン塗装した漆風製品が氾濫していますが、品格がまるで違います。
直接、器に口をつける汁椀なので、ここまで薄いと、さぞ繊細に舌に伝わるだろうなあ…など、さまざまな想像を廻らせて購入を決意。(10%offで買える日だったことも背中を後押し)
東武百貨店池袋店の店員さんいわく「食洗機にかけても大丈夫なんですよ」。
うちには食洗機がないけれど、それくらい堅牢だということ。デザインのみならず強さも自慢のよう。
あ、商品名がまさに「堅牢 KENRO」なんですか ∑( ゚Д゚)
お椀の生産者「土直漆器」は越前のメーカー。HPもありました。
強さと美しさへのこだわりを実現させた堅牢シリーズ。食器洗浄機や熱湯などの使用への耐久性を持ちながら、天然素材だけが持つ、使えば使うほど馴染み美しさを醸し出すその風合いをぜひお楽しみください。
なるほど。そして漆にもこだわりが
漆は完璧な天然の塗料です。この漆器に使用した漆は文化財、社寺仏閣補修用に開発された特許製法の漆です。この純度が高く丈夫な漆は1000回以上の食器洗浄機テストや煮沸テストにかけても変色や艶落ちがほとんど認められませんでした(その丈夫さが買われ現在、地元の学校給食でも使用されています。)それでいて漆独特の経年変化により漆ならではの溜色が美しい飴色(赤茶色)を帯び始めてきます。こだわりはこの強さと美しさです。日常で存分に使って漆器を楽しんでください。
「誰も真似できない、新しい天然漆塗りです」
↑なのだそうです。
用の美を追求してたどりついたのがこの形であり、デザインなのだとわかりました。堅牢シリーズもいろいろあるようですが、選んだのは「堅牢やわから椀 溜」。
土直漆器 土田さんに「堅牢シリーズ」についてお聞きしました (^。^)
「堅牢シリーズは、発売してもう6年目になりますが、天然木、天然塗料でありながら食器洗浄機にも入るというまさに堅牢な椀でございます。今のところ、とくにクレームもでておりませんので弊社も自信をもっておススメいたします。また、そういう丈夫な漆を使っている為、総溜塗り(普通あまり内側は溜で塗りません)も、漆が丈夫な証拠としてださせていただいております。ガンガン使っていただいて美しい飴色を帯びるのを楽しんでください」
6年たってクレームなし ヽ(゚∀゚)ノ サスガ
ガンガン使って風合いの変化を楽しみたいと思います。
さて、やまよ。今までどんなお椀を使ってきたかといいますと
よく使うお椀を紹介します。
(左)十時啓悦さん作。個展で購入し、すでに10年近くたちますが、丈夫でびくともせず、味わいは増すばかり。大ぶりなので具だくさんの汁ものに重宝。小丼としても便利。ほぼ毎日使っています。(右)1996年刊行の「おいしい東北」の取材で訪れた会津「鈴木屋利兵衛」で購入。底が丸くふくらんだほてい形。朱と溜、どちらも捨てきれず1色ずつ購入(今なら心を鬼にして、どちらかの色にします)。
古い漆器2種。
(左)境港の実家、納戸で寝ていた超古椀。今はなきおばあちゃんの若い時代からあったとか。明治時代? (右)宮城の古道具やさんで96年に購入。どちらも重ねられて便利。きちんと作られた漆器は長持ちすることを実感。
濡れたように鮮やかな赤! うちの家宝、漆の椀KING 角 偉三郎さんのお椀です。
角さんの漆器に出会ってから漆に開眼しました。角さんの合鹿椀はつとに有名ですが、どのアイテムも今までの漆器にはない形ばかりで、いたく感動。伝統とモダンの融合。個展に行くたび。ため息ついて帰ってきたことを思い出します。残念ながら2005年に旅立たれてしまい新作を見る事はできません。これは工芸・端玉の個展で購入。和倉温泉に美術館も。本も出ています。
温かで軽い、ほっこり楽しい漆のお椀。久しぶりに一同に並べてみました。気持ちよさそう。こうしてみると、堅牢シリーズがいかに薄いかわかりますね(上から2個目の真ん中)。どれもそれぞれに味があります。
*ただし、超薄いのでアツアツの汁を注ぐと熱い…です。
Topics: shop, 器 | No Comments »