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April 24, 2008
静岡 超絶景!片平豊さんの茶園
片平さんとは昨年の夏の終わりに新宿のOZONEで開催された「大茶展」で知り合いました。16種類もの品種を育てていること。品評会用に栽培する「自然仕立て」があることを聞いて興味津々。「百聞は一見にしかず。見にいらっしゃい」といわれ、機会をうかがっておりました。いよいよお茶のシーズン到来! 新茶の前にお邪魔することができました。茶園は13ヶ所に分散。それぞれの適地に16種類を植えているそうです。
自然仕立ては家の前で栽培とか。そこを見る前に、片平さんが「お茶の適地!」という、山の茶園に連れて行ってもらいました。見上げるようにそびえ立つ山々…。その急斜面に片平さん自慢の畑がドーンとありました。それはたじろくほどの急斜面でそりゃあもう、ビックリ仰天!!!
えっ。ここ登るんですか ∑(;゚ω゚ノ)ノ ワタシガ
標高600mの山に植えられた茶樹の種類はいろいろです。これは標高250m地点に植えられた「山の息吹(やまのいぶき)」
ひーふー登ったはいいけれど、ふと下を見ると、ひゃ〜。恐い。高所恐怖症の人はぜったいムリでしょう。斜面を生かした畑といえば棚田もありますが、そんな生やさしいもんじゃないです(生やさしくない棚田もあるかもしれませんが)山梨県の長寿村、ゆずり原村の野菜畑も急斜面でしたが、ここはダントツ! やまよが知ってる中で一番、危険な急斜面です。
ヽ(´∀`)人(・ω・)ノワショーイ
でも、ここまで高いと霜が降りないそうです。茶畑に行くと必ずある防霜ファンが確かにどこにもありません。この「山の息吹」は2年目の苗。まだ、葉は取らず、切っては伸ばす状態だそうです。
片平豊さん
「すってんころりん、転んだことはないんですか?」
「転ぶ? 一回もないよ。こんなの平地だよ! (^。^) 」
眼下を見下ろすと、足がすくむ、やまよであった。
元気すくすく「山の息吹」。雨に打たれてなおきれい。
さらに上にあがりました。どうですか。絶景。あぁ、停めた車があんなに小さく。
傾斜30度。スキー場ですわ。
「向こうの山にも茶園があるけど、こっちの東斜面のほうがいいんだよ。西日はお茶をおいしくしない。お茶は陽を嫌う。持論だけどね」
量を取るなら西向き。味は東向きなんだとか。
急斜面の山の畑から降りたところにも、茶園があります。中央のかぶせのある畑がそうです。ここは「やぶきた」が植えられています。斜面じゃなくてラクですね〜と思ったら、水が足りないと散水にこなくてはならず、手間がかかる畑なんだとか。散水するときは1000リットルのタンクで水を汲んできて、ポンプでまくそうです。「10mlの雨を人工的に降らすのは大変なんだよ」なるほど。山はお茶の適地。
茶園の上には山桜を植えて四季を楽しく、また土地を頑丈にしているそうです。
では、ご自宅にあるという自然仕立ての畑へgo!
うお〜っ。本当だ! みんなまっすぐ立っている。
そうそう、茶樹は機械でカットするのでカマボコ型になっていますが、その状態しか見た事がない人が多いためか、”お茶の樹はカマボコ状に成長する”とよく思われています。いえいえ、本来はすくっと1本立ちするのです。
片平さんJr.のジローさん。自らが揉んだお茶が品評会で賞を取り、お父さん大喜び。期待の大一番です。愛車のバイクを脇に作業中。ブログもあり!
片平さんが手がける茶畑の地図。これを、おひとりで植えてきたんですか。は〜っ。
栽培する16種類のお茶の説明が詳しく書いてあるファイルを拝見。奥様にお茶をいれていただきました。「あさつゆ」です。「ポップコーンの香りが特徴、甘みもむっとくるくらいある(笑)」
水色が気になる片平さん。色チェック。
ワインのリストと思いきや、片平さんのお茶リスト。右側にある年代は植えた年だそうです。片平さんチャレンジャー。そして今もそれは続いています。
珍しいお茶、気になるお茶は刺し木で増やして、試しています。 同じ種類でも標高やお陽さまの向き、日照時間、土地によってガラリと性質が変るため、試験に次ぐ、試験。
自然仕立ての茶園は2カ所こちらは昨年、息子さんが賞を取った茶園です。「あの時は摘んだ状態で、これはいける!ってわかったからね」と片平さん。
秋にカットした枝。1本1本はさみでカット。手間はかけただけ味に現れます。
片平さんの栽培法は、品種と土地の組み合わせを重視し、肥料はトレーサビリティが確認できるものを使用。消毒は必要最小限に行い、9月の頭にかけたら、春の新茶が取り終わるまでは一切かけない減農薬栽培。
さて、片平さんちのもうひとつの名物が「たけのこ」
おばあちゃんが出してくれました。とってもやわらか。エグミが一切ありません。上品な味。
とはいえ奥さんいわく「本人はお茶に専念したいんです。ましてや新茶が始まるとたけのこなんかに構っていられません。だからお客さんに勝手に取ってもらっているんですよ(笑)」
なんですと。
たけのこの茹で担当はおばあちゃん。庭先で茹でてました。
おや? あーっ、竹を燃やして竹の子茹でてる! 親子合作というのかな(いわないってか)。竹は火力が強いため、鍋がすぐ壊れるそうです。
しかし、片平さん家族、全員、ちゃきちゃき明るいクリエーティブな働き者。そういえば「本気のお茶摘み」で、出会ったひと、みんな明るく楽しい人ばかり。
静岡は磯自慢、喜久酔、開運、国香、初亀、杉錦、臥龍梅と銘酒もずらり勢揃いだし、いいところだなあ〜。住みたくなっちゃいました。
片平さんのお茶は中村米作商店でも購入できます。ブレンドもおすすめ!
●豊好園
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