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July 9, 2011
最適な形状とは?中野さんに教わるお酒のグラス
グラスの師匠、木村硝子の中野さんに「王祿を飲むのにバンビもいいですが、もっとおすすめのグラスがあるんです」と。それがこの↓ブルゴーニュ用のグラス。「悦凱陣」もよくあうそうです。
ステムが細く長く、形ぽっちゃりめ。
そこで、バンビの大小、平盃、うすはり、コンパクトなどを用意して「丈径」を試飲。
比べてみると、このブルゴーニュグラスだと、お酒全体がやわらかく豊かに包まれ、まるみが出、よりおいしく感じるのです。
ステムが長いほうが飲み口への角度、液体を落とすスピードなど微調整がつくと教わりましたが、なるほどっ!でした。
それに比べると、バンビ↑グラスは酸味というか、エッジがやや強調されて印象が異なります。もちろん充分においしいですが。
お気に入りの平盃でも、うすはりでも、お酒の長所短所の出方が異なりました。こんなにも形状で違うものなのかとビックリ!
●中野さん語録
「大きいボールの方がより香りが強くとれます(とれる=キャッチの意)。ただ、悪い香りもとれてしまうので酒質が問われます」
「口径が狭いと、細く、速く、舌の1点へ届きます。酒のスピード感が早いです。口径が広いと、ゆっくり舌全体で感じとれます。酒のスピード感もゆっくりになります」
口径が狭いものはブルピノの1erの良さがひきだせる。
*ブルピノ=ブルゴーニュのピノノワールの略
口径が広いものはブルピノのGrand Cruの良さがひきだせる。
1erには1erの良さ、Grand CruにはGrand Cruの良さを生かす「役割」がある。
「王祿の場合、バンビ↑6ozだと強く感じすぎる場合もあります。余韻の楽しみや香りが感じにくいのも難。14ozだとゆったりと酒質本来の素性の良さが味わえます。また大きいグラスは温度帯の変化をも楽しむ事ができます」
なるへそ。ベラビスタ×王祿×木村硝子の会はそういうわけで毎回、お酒に合わせてグラスが選ばれていたわけです。それがお土産。最終回の3回目は14ozのバンビグランデ。「アイスコーヒーを飲んでも抜群においしい」と石原丈径さん。うむ、コーヒーに合いそうだ。本日、松浦珈琲で試したらバッツリ!
次の日、ワインで試しました。右から3番目が中野さん推薦のブルゴーニュグラス。その両端のワイングラスはうちにあったブルゴーニュ用グラス。
「小さいグラスだと、スピード感と酸が突出過ぎてしまうんですよね。 当然、Grand Cruの酒力があるのが前提ですが。ブルピノでいうと、良い1er以上でないと辛いです。。。 ヴィラージュクラスのワインを楽しむ用のグラスは別にありますから」
と中野さんがいうので、しょうがないから!? パトリスリオンさんの1erを開栓(Grand Cruはうちにはなかった…)
↑うちのお宝3本。パトちゃん本人から購入したパトちゃんワイン
やはり、中野さん推薦ブルピノグラスが一番断トツやわらかな味です。う〜む。すごい世界があるもんだ。どうせ飲むなら、よりおいしく大切に飲みたいもの。
”そうでもないお酒”の場合、なるべく口が分厚い、ストンとした形状だと欠点が出にくいようです。その意味で、お酒によっては、コップ酒や湯のみ酒は理にかなっている!というわけです。そのお酒にあった形の器が大事ということですね。
日本酒蔵さんも「我が蔵のこのお酒にはこの酒器で!」とベルギービールのように推奨グラスを提案することも必要かと。そうでないと”欠点”丸出しになる場合もあるということ。どうせならお互い幸せに飲みたいですからね。
さて、扱いが面倒と思われるワイングラス。中野さんに教わったのは、グラスを洗ったあと、ステムを持って勢いよく下にビュンビュンふりおろすようにして水を切るといいとのこと。こうするとグラスを布巾でふかずにOK。やってみたら確かに布巾いらず。
ただし、グラスを落とさぬようしかと持つことが重要です。屋外、またはテラスがないと難しいかもしれませんが。
そうこうするうち小腹がすいておつまみタイム。ライ麦パンにニンニクの切口をすりすりし、オリーブオイル、その上にトマトをのせてグリル。焼き上がったら粗挽き黒胡椒、粒マスタード。単純な深夜のおつまみ。
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