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May 7, 2008
大山・訪辺歩来 信念の蕎麦
「大山においしい蕎麦やさんがあるんだって!」とCさんからお誘いが。大山!おいしい!!蕎麦!!!いきまひょいきまひょと車でgo。大山ふもと近くに入って、じょじょに甦るやまよの記憶。
そのお店、もしかして……。
2年前に「手打ちの冷や麦がある」と聞いて一度行ったお店かも。到着し、建物を見れば、まさにあの冷や麦の店。
C「来た事あるの〜?」
Y「お蕎麦は食べてないっ!」
今回は蕎麦で、再訪問とあいなりました。
前回、訪れたとき店の奥はカウンターでした。1週間前に撤去して床を延ばし(工事は店主自ら)たとかで、ぐんと広くなっていました。
本日は「豆腐」「きのこ蕎麦」「山かけ蕎麦」ができますとのこと。木の札に文字がありますが、これが本日できる全メニュー。
メニューが少ないですって? ノーノー、ひとりでやってるんです。きのこをとりにいくところから。
手書きのメニューがあったので拝見。
青大豆を使って店主が作ったお豆腐とか。では、それをひとつ。
登場! うっすらグリーンの爽やかな新緑カラーのお豆腐。青大豆のクリーミィな味わい、かつ、しっかり。
お蕎麦は、今日のおすすめの「きのこと山かけ」1つずつ注文しました。
楽しみ楽しみ!
おっ、いよいよ! 店主が厨房からタッタッタッタとやって来た。
ドカンポン
わわ! ツヤピカきのこがどっさり。そ、そばがきのこで見えません。
きのこは ”ならたけ、むきたけ、なめこ” の3種類。
「どこ探してもないですよっ。こんなきのこ蕎麦は」
ぬるんぷりんとなまめかしい! 味が濃い! だしの味がほどよく効いています。本物のきのこの味わいといったら すごい! うまい!につきるでしょう。こんなきのこ蕎麦、確かに食べたことありません。
これを肴に純米吟醸、飲みたーい!
店主の川上さんいわく
「本物のきのこの味はどんなものか知ってほしくて、命がけで出している」
そうです。普通のきのこは
「あれはオガクズコっ」
と吐き捨てるよう ∑(゚д´ノ)ノ
きのこは川上さん自らが採取。その場所たるや、傾斜45度の滝を登りおりし、普通の人は行けない、行かないところとか。45度? ほんまかいなという顔をしていたら、写真帳を見せてくれました。ありゃビックリ、直角の滝じゃありませんか。ここをのぼるんですか。まるでロッククライミングの世界…ヽ(゚∀゚)ノヽ(。。 )ノ 写真を見ると、倒木した木に天然のきのこがびっしり。こりゃきのこの聖地。
誰か誘っても皆、1度きりで「2度とついてこない」と言ってました。
この店を紹介してくれた東出雲町の珈琲焙煎の名人、松浦珈琲の松浦さんいわく「僕もきのこ取り誘われたけど、話を聞いて遠慮しました。食べさせてくれるだけでいい」
きのこ蕎麦は1400円。話しを聞いていると良心的だと思います。
「でも高いっていう人がいるんです。3000円ほしいくらいですが(笑)」
そういえば、以前、冷や麦で伺った時も「どれだけ本物で上質の材料を使うか」について熱い意見を聞いたのでした。店主の川上さん、熱いです。前回は冷や麦でしたが、蕎麦も同様、熱い!!d(>_< 信念あり。
半分こずつしている間に、山かけ蕎麦が登場! ヽ(^。^)丿マッテマシタ
「おつゆのない山かけです。他じゃありませんよ。もちろんじねんじょも天然です。私が掘りました」と、取った時の写真を見せてくれました。特製の道具を手にしています。確かに長くて立派。1.5m以上はありそう。
とろとろ、もっちり。味が濃い。
さっき、厨房でものすごい勢いでシャカシャカいう音が聞こえてきましたが、あれはこの、じねんじょをすったものと出汁を混ぜていたことが判明。おいしいです。身体に響く味とはこういう味をいうのでしょう。
手書きのメニュー帳をじっくり拝見。蕎麦の食べ方についてこんな風に書かれています。
なるほど〜。
ということであります。
予約しないと危険。川上さん、ひとりですべてをこなしているため、不在多々あり。きのこやじねんじょを取りに行ったり、ヤマメを釣りにいったり、畑仕事も忙しそう。ウコッケイの世話もあり、店にいないことが多いのです。行く時は必ず電話で予約のこと。
甘いものは普段とらないやまよですが、「今日はあります!!」といわれ(良かったですねの意。ファンは蕎麦の他、これも目当てとか)、出てきたのがこのチーズケーキ。なんでも川上さんが育てているヤギの乳と、ウコッケイの卵、キビ砂糖で作るとか。ヤギの乳! ウコッケイの卵!! しかも育てるところから始まると聞いてまたビックリ。できる範囲で可能な限り自給自足がモットー。もちろん砂糖は自前でなく購入品ですが、未精白の国産キビ砂糖を使用。国産自給率100%にお釣りがくるくらい!?の勢いです。
ケーキの味わいは、ごっつく濃厚。
ただし山ならではの苦労も数多く、大切に飼っていたウコッケイは先日、キツネに襲われて全滅。泣く泣くまた購入したそうです。スキーができる山ゆえ、冬はお客さまは皆無。どうやって暮らしているのか不思議な川上さん。ご自身で「お金はない」といいきってました。商売じゃないよう!?です。でも、話を伺っていると、加工品も多々あり。「売り物ではありませんが」といって見せてくれたのがサクランボのジャム。
粒ふっくら、とってもきれいに仕上げてあります。楽しんでます!
そして、圧巻は梅干し。
フルーティな香り、大粒でねっとりした果肉。見事です。あえて紫蘇を使わない梅干し。1個300円で販売も可。
川上さん語録。
「食育は誰かが本気でやっていかないと。中国の餃子や、赤福、吉兆の問題もわかっていたことですよ。問題はニュースになった店ばかりじゃないでしょう。お土産のまんじゅうだってみな同じですよ。例えば、世界の○○○○パンで大量に売っているメーカーが考える安心安全というのは”腐らない、色が変らない、パンが堅くならない” でしょう。それは安心ですか? 安全なんですか?」
「生きるのは、仕事するのは何が目的か、です。何か世に残して、自分が生きた証を残していきたいじゃないですか」
「消費者の意識が変らないとだめ。それを訴えているんです。全部表示しています!」
「缶コーヒー、ペットボトルのお茶だって、皆さん平気で飲んでますけど、あのお茶、いつ誰がどうやって入れたんですか」
お店で出されるお茶はクマザサやドクダミ、ゲンノショウコを川上さんが独自にブレンドしたもの。正真正銘の国産素材、天然素材100%、身体に良いものを使い、熱い思いで料理を作る川上さんの蕎麦やうどん、ぜひ一度! 熱いです! しつこいですが予約を忘れずに。電話は手短に。
ヤギ、ウコッケイの他に、ワンちゃんもいます。 大山は空気が爽やかいいところ。
訪辺歩来のあとは、大山の大神山神社奥宮へお参りに。ここは埼玉県の神亀酒造の専務がお酒を毎月、贈っています。柄杓も専務がプレゼントしたもの。小川原専務、ありがとうございます。
Topics: shop, ご当地もの, 食料自給率 | No Comments »