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May 14, 2009
絶景!豊好園の茶畑再び その2
豊好園のお茶工場です。朝7時、雨がふる前に摘まれた「おくゆたか」がスタンバイ。
いいお茶を摘み取る基本は「一芯二葉(いっしんによう)」指2〜3本分。極上のお茶は指2本という事です。貴重かつ贅沢。若い新芽は透明感あるクリーンな緑色でとっても柔らか。これは機械摘みです。
いよいよ蒸しに入ります!
葉の特徴を生かすよう蒸します。豊好園は深蒸しではなく「わか蒸し」が得意技。
(右)豊さんのJr.イケメン・ジローさん。25歳。独身。趣味はバイクと日本酒(と推察)。
蒸されたばかりのアツアツのおくゆたか。
そして粗揉機に入れて熱風乾燥します。
お茶の温度が34℃以上にならないよう、調整しながら様子をみます。機械といえどもまかせきりにはせず、その日の茶葉にあわせて(天気、温度、湿度)微調整が肝心。葉の周りだけが乾いてはNG。外と中が同じように乾いていかないとだめなだという。
「機械に頼っては、いいお茶はできないよ」
手触りで確かめて、風量などの細かなポイントはPCに打ち込んで管理。トップクラスのお茶をつくる片平さん親子。言葉にできない感覚が山ほどあるよう。手で茶葉を触り、目と目で確認しあう二人。一子相伝的家業秘密!?がいっぱいあるようです。
揉捻機です。
ここで茎の水分と葉の水分を同じにします。長くかけた方が均等になるので60分〜かけるそうです。一般には20〜30分。効率よりも味を優先。
その後、中揉機→精揉機へ。
だんだんお茶らしくなってきました(その都度、食べさせてもらいましたが、味の変化に驚き桃の木!)
そしてこの機械は揉み機60歳!
お兄さんだった精揉機※ by 片平 豊
※精揉機 … 製茶の最終工程で、茶を揉み伸ばしながら乾燥させる機械のこと。
豊好園にはフレームが木でできた精揉機があります。
先日、製茶機械の修理をお願いしている大森さんのお父さんが来て、この精揉機の話で盛り上がりました。私より若いと思っていたこの機械は、なんと60年も前の物だったことが判明!
小さな機械なので、品評会出品茶や走りのお茶しか動く事はありませんが、とにかく上手に揉んでくれます。品評会入賞も私の腕ではなくこのお兄さんの能力だったかも?
最新の精揉機も構造はほとんど変わっていません。考案した人の技術に驚かされます。お兄さんと解ってからは、何気なく打たれた釘などは抜いて、大切にしています。
いよいよ完成間近!
この産毛は新芽(業界用語で「みるい葉」)の葉裏にだけついている柔らかで細かな毛。茸毛(もうじ)というそうです。なめるとやや苦。
見ていて飽きない60歳。時間差で動く”人の手”のようなさまざまな動きがそれは面白く(これは見ないとわからない)、本当に良く出来た機械なのです。時間を追うごとに刻々と変化するお茶の葉には目が離せません。ここから離れられない〜のやまよ図。
その後、仕上げ乾燥に入ります。「これは触ると刺さるよ。ひどいと刺さったところからウミが出たりするんだよ」と豊さん。ほんまかいな…と触らせてもらったら。
激痛い!
表面をなでただけでイタッイタッイターッ。お茶の葉が針のように刺さります。
これは、拷問に使えますよ。
「早く吐け。言わないと、この仕上げたばかりのお茶の葉をその頬に!」
「そ、そ、それだけは、ごかんべんください〜っ。何でも言いますっ、すべて吐きますっ」
という感じ。やまよショート劇場。
↑ ささささささ〜っと様子を見る豊さん。プロは違う…。
さて、待ちに待っていた! 今朝摘みのお茶が出来上がりました。この日はティーインストラクターの鍋田さんがいらしていたので、いれていただきました。
温度をしっかりみてから、時間も湯量も真剣に。きっちり1滴残らず注ぐその姿はプロ!
新鮮このうえない味わい。やわらかなアミノ酸もあり。新茶の力大満喫! おくゆたかについて豊さんいわく「女性に例えるとちょっと化粧が濃い感じかな。品は悪くないけどちょっと味が濃い。例えていうと居酒屋のお姉さんタイプ」。やぶきたは品が良く、女優でいうと真野響子さんだそうです。ジローさんはきっと違う女性に例えると思う。今度聞いてみようっと。
お茶を出したあとの茶葉は、まだまだフレッシュであおあおしています。このまま食べたらよさそう!
つづく
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