« 酒造道具もいろいろ!熊本・亀萬酒造 | Home | 11月の日本酒 »
December 25, 2012
冬が旬!長栄丸・朝どれサンマの丸干し
今年もやってきました!長栄丸のサンマの丸干し
包丁を一切入れていない正真正銘の丸干し!シルバー色に輝くボディが特徴
「aff」で紹介しました→「冬が旬!熊野灘朝漁(ど)れサンマの丸干し」
秋の味覚の代名詞と言われるサンマ。落語『目黒のサンマ』でもおなじみのように「脂がのってうまい」が売り文句。それと逆なのが熊野のサンマ、11月下旬〜の冬が旬で「脂がなくてうまい!」のです。旬と味は土地によって変わることを知りました。
北海道から南下して紀州沖までたどりついたサンマは、脂肪分少なめのスリムボディが身上。それを生かしたご当地名物のひとつがサンマ姿寿司。柑橘果汁を加 えた爽やかな寿司飯に、尾頭(おかしら)付きという楽しさ。そして郷土の味、もうひとつがサンマを丸ごと干した干物です。包丁を入れずに干した正真正銘の 丸干しで、どこにも切れ目がなく、初めて見たときはビックリ仰天。現地でいろいろ売られていますが、中でも美しさに感動したのが長栄丸の丸干し。それは光 輝くシルバー色!
なぜそんなに美しいのか、輝きの秘密を長栄丸船長・濱中一茂さんに聞きました。
「それはサンマの違いと干し方の差です!」
長栄丸は殺菌海水装置を導入。これを通した冷海水で鮮度を保っているといいます。殺菌海水とは、海水を電気分解してできた次亜塩素酸を含み、薬剤は一切不使用。
「これを使いだしてから雑菌がなくなり、色やモチモチ感がキープできるようになりました。時間がたってもぬるぬるしないんですよ」と一茂さん。
濱中さんのこだわりは漁の時間にも。サンマ漁は日没から夜明け前に行われますが、夜中の2時だと胃袋に食べた餌が残ったまま。この状態のサンマを干すと「焼くと腹が割れ、ぐちゃぐちゃして美しくない。おいしくない。いたみも早い」。
夜明け前の朝4時頃になると、消化が進んでお腹がカラッポ状態。なので明け方までガマンして待つ。そこで一茂さんが命名したのは「朝漁れサンマ」。
そのサンマを干物にするのは妻、朋美さんの仕事です。鱗を除き、塩をすりこみ、きれいに洗い流して干すフィニッシュまで。塩にもこだわって、沖縄、小笠原、室戸など各種実験。今は伊豆大島の塩を使用。
「まだまだやることいっぱいです。時間と塩の量の関係も研究中。最高においしい丸干しにしたいですからっ」
さて、包丁を入れないサンマの丸干し、目刺なら目を通しますが、どうやって干すのかが不思議で朋美さんに教わりました。
「1本1本尾の端をひもで縛って、吊り下げるんですよ。潮風がよく通る場所で陰干しが鉄則! 2〜3日様子をみて完成です」
日の当たる場所で干すと身が酸化し、魚体が弓なりに反るため、冷たい風の通り道を選んで干すのが肝心。乾燥機は使わず天然の潮風頼り。
スリムなサンマといっても時季により状態は違い、12月のサンマは北から下りたて、大きめで脂肪も残ったふっくらタイプ。1月に入ると身がしまり、干すと カチカチ系に「それが一番うまいんです!」と一茂さん。カチカチ系こそ熊野丸干しの醍醐味と言います。
最近は「柔らかい」「脂がのってる」が食品の褒め言葉ですが、それと対極にあるのが、このサンマの丸干し。身も内蔵もすべてが一体化した珍味系のカチカチ サンマは骨まで愛せる貴重品。まさに命を丸ごといただく「一物全体」な丸干しです。噛む程にうまさもにじみ出て、純米の燗酒にはこのうえなく好相性。
「サンマがとれない時は丸干しもありません。よそのサンマや冷凍サンマを買うことはないし、できた干物を冷凍保存することもないので(笑)」
美しいサンマの丸干しは自然まかせという季節限定品。旬の味はその時に自然な形で味わってこそ。季節を待ちわびる楽しさ、熊野の丸干しサンマにあり!
1本300円+送料です。朋美さんに聞いたら年内分は完売とのこと。次は正月明けに船が出るそうです。今、予約受け付け中!
パッケージデザインは梅原真さんです!
夫が獲って、妻が干す!
厳冬が旬の期間限定、朝どれサンマの丸干しなのです。
・
Topics: お取り寄せ, ご当地もの | No Comments »