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December 18, 2013
朝カル12月「年末年始の純米酒」講座・屠蘇酒
「樽酒」の続き。朝日カルチャーセンター 新宿教室で12月11日「楽しむ純米酒」講座を開講。〜年末年始に相応しい純米酒。蔵直送の新酒。樽酒。純米お屠蘇。純米卵酒〜特集!
↑写真上は「屠蘇散」を純米酒に漬けたもの。淡いゴールドカラーがきれいです。
「お屠蘇」と呼べるのは、生薬を配合した屠蘇散(とそさん)を入れたお酒だけ。生薬とは、桂皮、山椒、生姜、山梔子(さんしし)などが代表的。
一年間が健康で過ごせる薬効あらたかな薬酒が屠蘇酒なのです。
「酒は百薬の長」ともいいますが、「長」の中でも間違いなくトップでしょう。この寒い時期に飲むのことにも意味がありそうです。
良薬は口に苦しといいますが、良薬は口にうまし!甘し!
本みりんや純米酒で作れば最高の屠蘇酒ができます。
セミナーでは、右「三年熟成本みりん」と、左「純米酒」で作った屠蘇酒を飲み比べました。みりんの日本酒度はマイナス200といいますから、そうとう甘いです。
ひとくちに「みりん」といっても、中身と味が、天国と地獄!?ほども違うのです。普通に安くスーパーで売られているものは、原材料と時間、コストもかけないケミカルで簡易的な造り方。安いといってもそれなりです。
「三年熟成 本みりん」は昔ながらの造り方で、酒蔵・白扇酒造さんが日本酒造りから手がけています。
本来、みりんの原料は「もち米、米麹・米焼酎」のみ。
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●みりんができるまで
1 まず、日本酒を造り、その日本酒を蒸留して米焼酎にします。そこへ米麹と、蒸したもち米を入れて「みりんもろみ」を造ります。
2 そのみりんもろみを90日間かけて、ゆっくりとタンクで発酵。焼酎の中で、もち米がじんわり溶けて、うまみを含んだ甘みに変化するのです。
「焼酎の中で甘酒を造ってるようなもの」と社長の加藤孝明さん。
3 発酵が終わったみりんもろみを袋にいれて絞ります。さらに、とがった甘みが丸くなるまで、3年間かけて熟成。
「昔はご婦人方のナイトキャップだったそうです」と加藤社長。飲んでおいしいのがみりんなのです。
そして
「ハレの日の食事は餅や赤飯など、必ずもち米です。新年のお屠蘇にふさわしいのも、もち米からつくる味醂だと思います」
●みりんの麹づくり
●みりんの仕込み
これが昔からのみりんですが、世の中で大多数を占める ”なんちゃってみりん”は、糖類、うまみ調味料、酸味料、アルコールに、塩が加えられていることも。また、原料のもち米はタイなど海外産多し。
日本は米が余って減反していますが、結構お米を買っているのです。
みりんは日本が誇るべき伝統的調味料! それなのに国産原料さえ使わず、発酵もなにもかも簡略化された添加物だらけの方が多いとは……寂しい限りです。
◯お屠蘇の意味
お屠蘇の「屠」は邪気をはらい、「蘇」は魂を蘇生する意味があるといわれています。お屠蘇の風習は中国から伝わり、宮中の儀式に使われ、その後、各家庭で正月に長寿幸福を得る儀式として広まりました。
◯お屠蘇の作り方
大晦日の夜、屠蘇散(漢方薬局で販売。ネットでも見つかります)を、本みりんか純米酒(または両方のブレンドで)酒器、急須などに入れ、10時間ほど浸します。元旦の朝、盃に注ぎ、年少者から順番に飲んで新年を祝います。
白扇酒造さんでは、この時期の新酒には屠蘇散をつけて販売。今回は便利なのでこれを取寄せました(送料315円は嬉しい!)
「最近は屠蘇散をつけても作らない人がおられまして、屠蘇酒を作ってほしいというリクエストで作ったのがこの屠蘇酒です」こちらは180mlで420円と良心的価格。年末の小さなgiftにも重宝します。
じつは、この「みりん屠蘇酒」、お料理にも使いであるのです。
↑中華風の大根漬けです。「みりん屠蘇酒」と醤油を1対1くらいで合わせ(好みで増減)、酢か柑橘の搾り汁を好みの加減で少し入れて調味。花椒をパラパラと入れて漬け汁を作ります。
大根を薄切り(↑写真は桂剥きにしてカット)して漬けます。ビニール袋に入れ、揉むようにすれば漬け汁が少なくてすみます。急いで食べたい時は写真のような薄切りで。時間があるときは拍子切りなど。冷蔵庫で3〜4日保存できます。
その他、シジミを炒めたり、アサリの酒蒸しにちょっと使うとスパイシーで美味。砂糖よりもマイルドでコク、テリ、ツヤが出ます。米原料の甘味料は、キーンとしないやさしい甘さ。料理をグッとおいしくします。
◯白扇酒造さんに取材した時のこと。こちらに詳しく↓
http://www.yohkoyama.com/archives/27595
「縁起樽酒」というおめでたい商品も。
朝カルつづく
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