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January 2, 2014
樽酒の樽を見に長龍酒造さんへ
奈良県・法隆寺の近くにある長龍酒造さんへ。売店が併設された大きな蔵です。
朝日カルチャーで取り上げた樽酒 http://www.yohkoyama.com/archives/59826
この酒をきっかけに、”樽酒の樽”に興味がわきました。
長龍酒造のメイン商品は ”樽酒のボトル”で、それに使う樽用の樽材は、県内の吉野杉。
「甲付き樽」という”表が白く、内側が赤い、白赤半々”の杉を使用。香りをつけるのは「赤み」と言われますが、なぜ「甲付樽」にこだわるのか。樽を見せてもらいました。
「赤みだけの樽では、香りは強過ぎて、渋みや色も酒につきすぎてしまいます」と部長の橋本さん。
ゆえに白赤半々の「甲付き」がいいと。そして、樽になる杉は年輪の緻密さが大事。林業者との信頼関係が何より大切(ただし高齢化が心配)なのだそうです。
樽酒で重要なのは、味と香りの調和。
長龍酒造の創業者が目指したのは
「静かさとのどかさ」!
静かさを感じる味わいとは、なんとも日本的。
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こちらの樽酒、長いことアルコール添加のお酒のみでした。香りと味が、純米酒では難しかったそうです。
(左)ロングセラーのアルコール添加の樽酒。(右)純米酒の樽酒
純米酒なら何でも良かったわけではないと聞いて、なるほど〜。「樽酒に必要なのは、少しの甘みと切れ味」と橋本さん。
ふくらみがある酒にしたくて、酒米は岡山県の雄町。ですが、速醸で醸した雄町の酒を樽酒にしても、しっくりこなかったとか。たまたまあった山廃、二年熟成の酒を注いだら、香りと味の調和がとれ、お燗にしても美味しい樽酒になったと。雄町+山廃という、自然で豊かな酸味が功を奏したようです。
部長の橋本さんに創業者の思いをお伺いしました。
合理化という名のもと、伝統を捨ててしまうのは簡単なことかもしれません。
樽底↑
ですが、今はそこに価値がつけられる時代なのだと思うのです。まずは日本のおおもとを知ることかなと考えます
樽酒には、日本の山、水、田圃、伝統産業と伝統醸造、すべてがつまっています!
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●長龍酒造
売店も併設。酒粕クリームチーズなど珍味も。web shop
今田周三さんのリクエストだったという珍しい「生囲い」吉野杉の樽酒隠れアイテム、長期熟成酒もあります。
さらなる酒質向上を目指して、サーマルタンクも増設。
売店にはお酒の他、「酒うどん」「くりぃむちーず」などもあり。
樽酒goodsも!
こちら、何度でも!? 鏡開きが楽しめる樽
好きなお酒を詰めてお祝いごとにいかがでしょう〜
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