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May 2, 2014
掛川の人はお茶で健康長生き
本日は八十八夜
●掛川の人は健康で長生きという話
掛川新幹線ホームにも「健康 長寿 掛川」と看板があるほど、掛川はお茶で健康を宣伝中↓
●blog 健康長寿のお茶の里・掛川
掛川の深蒸し茶を有名にしたのはNHK「ためしてガッテン」です
blogにも書きましたが静岡県掛川市はがん死亡率が日本一低く、医療費が全国平均と比べて20%以上も低い(驚)
掛川の健康長寿の秘密を解明するため、地元の学校や大学、国の研究機関が集まって調査した結果
「お茶をたくさん飲む」という生活習慣、そして飲んでいる深蒸し茶にあった?!
(あちこちのお茶屋さんもこぞって健康+長寿=深蒸し茶をPR中。「長寿、深蒸し茶、掛川」で検索してみてください)
HPによりますと
「掛川市は静岡県の平均と比べて、心疾患で亡くなる方が15%ほど、脳血管疾患で亡くなる方が30%近く低い」と。県内でも抜群の健康度。
治療が長期化する、これらの生活習慣病が少ないということは
⇒⇒⇒ 医療費がかからない!
日本全体の長寿獲得コストが、掛川市まで下がると
3兆円もの国家予算が削減☆
*ちなみに、がんの死亡率が低い町は、お茶どころが多いそうです⇒http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20110112.html
とはいえ、お茶=がんに効くとは解明されていません。
”お茶をよく飲む食生活”がいいのではと思います。日本茶を飲む=和食をよく食べるのだと。また、日本茶にはミルクも砂糖も入れません。0カロリー
●静岡は和食推進県『ふじのくにから和の食文化を発信』
ためしてガッテンでも書いているように、がんに効くとは言えないけれど
「お茶をたくさん飲む掛川市で、がん死亡率が日本一低いことは事実」
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では、掛川の人が飲んでいる「深蒸し茶」ってどんなお茶?
「深蒸し茶」とは=製造工程の茶葉の蒸し時間が「深め」で「浅蒸し」よりも2~3倍かけたもので
普通煎茶は、30~60秒
深蒸し煎茶は、60~120秒
●blogお茶ができるまで(豊好園さんでプロセスを教わる)⇒ http://www.yohkoyama.com/archives/4502
お茶の葉をよく蒸すことで、渋みをやわらげ、マイルドな味に。色も味も濃いので、水を選ばずよく味が出る(ゆえに、水の悪い東京でうけたという説も)
ただ、普通煎茶に比べると香りは弱め
深蒸し茶の特徴
↓↓
普通の緑茶よりも、お茶の色が濃くて濁っている!
では、なぜ?濃く、濁らせたか?
掛川の茶畑の多くが、なだらかな丘にあり、日照時間が長く、茶葉の渋みが強くなりやすい。渋みをやわらげるために、蒸し時間を通常より多くして作った…のだそうです。工夫ですね。
日差しをたっぷりと浴び、カテキンをたっぷり含んだ渋いお茶だから、渋みをやわらげ、飲みやすくするために編み出された方法が、「深蒸し」製法!
蒸し時間が長いため、茶葉の細胞が普通のお茶より壊れやすく、本来溶け出さない栄養成分が、含まれる・・・その分、葉がやわらかで急須の穴につまりやすい(そこで急須はメッシュ使いが増えた!? 想像ですが)
色が濃く、細かい浮遊物が含まれる。
その浮遊物を分析すると、普通のお茶にはあまり含まれない成分が多い。
βカロテンには抗酸化作用
ビタミンEには血行促進作用や免疫機能改善効果
クロロフィルには腸内環境を整える働きがある
と、言われているそうです。
渋み成分カテキンと、細胞のかけらがくっつきあうことで、渋みを感じにくく、飲みやすいお茶になった。
お茶の生産地としては最上とは言いがたい土地で、おいしいお茶を作ろうとした昔の人の知恵が、結果的に健康成分もUP☆
なるほどですよね。お茶の葉、丸ごと食べてもいいかも(笑)
掛川は勤勉な街で「報徳の教え」の存在も大きいと思います。地区で勉強会が今でもあるのです。凄い!
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●2013年 静岡の茶草場農法が 『世界農業遺産』に認定
茶園に敷く草を刈り取る「茶草場(ちゃぐさば)」農法
http://kakegawa-kankou.com/chagusaba/
茶草場農法とは↓
http://kakegawa-kankou.com/chagusaba/about/index.html
地元では、当たり前の農法だったそうですが、他ではないそうです。
この会でも↓ この深蒸し茶を紹介
●blog 静岡県漁業協同組合・女性部大会「魚で肴★ブランドのつくりかた」
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日本茶は日本酒と運命が似ていることを、以前にも書きました。
存在が当たり前すぎて知らない(知ろうともしない)ことが多いですね。
日本酒は原料となる「米」が酒の味を左右します。いい米がいいお酒をつくるのですが、普段お酒を飲まない方は、そんなことはまったく知りません。酒の米に種類があることもご存知ないのです。
日本茶も、普段「液体」で購入している人は、茶葉を見たことがない人が多く、「お茶の葉に種類なんてあるの?」状態です。最近は急須がない家が多く、「お茶って家でいれられるんですか?」といった高校生がいたとか。液体しか見たことがなければ、それも仕方ないかもしれません。
日本酒はなんといっても米は「山田錦」が有名です。品評会で賞をとるのは殆どが山田錦。
一方、日本茶は「やぶきた」です。品評会出品茶も殆どやぶきた。
お酒は大吟醸から本醸造、普通酒と種類が多すぎてわかりにくいです。
お茶も、一番茶、二番茶、三番茶、青柳、番茶と種類様々。地域により青柳、番茶は解釈が違うので、ああややこしい〜。
値段が高い「一番茶」も同じ茶農家さんの中で、値段の差があるのはどうして?というのも、一般人にはわかりにくい。明確な理由があるのですが。
まずい日本酒もあれば、まずい日本茶もあり。
当たり前すぎた「日本」を冠にした2つの食品。
じつは、知れば知るほど面白いのですが!
これからも、その楽しさを皆さんに伝えていきたいな〜と思っております。
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↓写真は沼津の山二園さん。
お茶は茶農家さんによって味わい様々。だから、面白い、楽しいのです。
新茶祭りでは、新茶とお茶を使ったおもてなしを
新茶の天ぷら、お蕎麦、山葵、お茶ごはんのおむすび、たくあん、お茶。
お茶にあうのは自然と和食なんです! いいお茶はいいお酒にもあいます
山二園・後藤さんファミリー。いいお茶目指して「一番茶しか作らない」茶農家さんです。
お茶もお酒も、いろいろあるから楽しい!!!
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