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December 15, 2014
大林 禎さんお別れの酒器
東京・大塚の銘酒居酒屋「串駒」店主の大林 禎(てい)さんが旅だって四ヶ月。奥さんの雪江さんから、店の定番、禎さんオリジナル酒器がおくられてきました。
「ぐい呑みじゃ、ひょっとこ面になっちゃうでしょ。この盃はこう手に持って、優雅に飲める」と生前の禎さんの言葉。
↑明るい部屋で見ると青が濃い印象ですが、照明を落とした串駒の店内では、お酒が映えました。
串駒に、よく通ったのは20年ほど前でしょうか。生酒を冷蔵庫で管理するのは今や常識ですが、その当時は画期的でした。民家を改造した店舗ゆえ、押入れも冷蔵庫にしたのです。奥さんの雪江さんは当時の常連さん。二人の恋話も懐かしい思い出です。
「地球と雪江は俺が守る!」と言って、笑いをとってました。
お通夜では「十四代」の酒瓶が勢揃い。まだ世に知られてなかった「十四代」をいち早く扱ったのも有名です。試飲会でも、しっかり飲む禎さんでした。「喉に落ちないとわからないから」と。身体をはってました。珍しい食材を見つけに全国へも。食用ほおずきを最初に出した居酒屋だと思います。魚醤を使った鍋も名物でした。客が「へ〜っ、ほ〜、え〜」となるのが楽しくてしょうがないという感じでした。
あーっ、もう、禎さんはこの世にいないのか……と。酒器を見ると、20年前がサーッと蘇ります。当時の銘柄が次々に浮かんできます「獅子の里」「山桜桃(ゆすら)」懐かしい! って今も健在の銘柄ですが
↑お酒を注いで、これで30ml。これくらいがちょうどいい
そして、禎さんの言葉、「ひゃっひゃっひゃ」という笑い声や、やんちゃぶり(いっぱいあったよ!)が思い出されて…。
それにしても、20年以上前から、この酒器にこだわったのも禎さんならではでしょう。業務用に考えれば、安くて丈夫なグラスかぐい呑(それが今でも多勢)。破損も多く、盗難も多く!? 酒器にお金がかかっていました。
「どうすれば上質なお酒がおいしく飲めるのか」を研究に研究を重ねた禎さんでした。
今日を生きよう!
いいお酒を見つけたら報告しよう、禎さんに。
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撮影/iPhone 5(上)+6(中、下)
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