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March 25, 2015
酒米強力と上原先生、辯天娘
「鳥取のゴーリキ(強力)純米酒と薬膳おつまみNIGHT」続き
酒米・強力の復活に上原 浩先生あり!
尾瀬あきら先生の漫画「夏子の酒」では上田久先生として登場した名物先生
●上原先生語録「酒は純米、燗ならなお良し」
純米酒生産の立て役者!
●上原先生語録
「良い酒ばかりを150石(一升瓶15000本)ばかり飲んできた。悪い酒はよう飲まん」
広島県財務局より鳥取県工業試験場に移り、鳥取県、中国地方、全国で醸造指導を行う。“蔵元は安さを追求するのではなく、価値ある酒を造るのが必要” と純米酒造りを説いてまわった先生
●上原先生語録
「一に蒸し、二に蒸し、三に蒸し」
理に適った醸造指導方法で、今なお全国に信奉者多数。辨天娘さんの教科書は上原先生の著書という
「辯天娘 純米強力生もと 24BY」
蔵元の自家栽培による「強力」。温度も推奨あり
こちらは速醸もと「辯天娘 純米強力 25BY」
辯天娘さんのお酒は、すこぶるキレよし!しっかり切らした辛口です。
辯天娘さんの奈良漬け(ウリではなく、地元産大根ときゅうりを使用)
その昔、今は熊本県庁に出向中の木村敬さんが鳥取県庁時代に送ってくれたのが目覚めるきっかけ。それまでは「奈良漬けの甘いの苦手」でしたが「まあ、だまされたと思って(笑)」と。その見事なまでの豊かでキレのいい美味しさにびっくり仰天!つまみになるんです。
affの連載を引き受けた時に、この奈良漬けのことを真っ先に書きました↓
野菜、米、酒粕もすべて地元町内産 酒蔵が作る長期熟成なら漬け
以下、原文紹介します
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漬物好きでも「なら漬けだけは苦手」が多い。ツンとする酒の辛さに、ベッタリした甘さ。漬け物なのにご飯に合わず。ましてや酒の肴になることも、ない。
ところがこのなら漬けは違う。瓜ではなく、大根ときゅうり。色も黄金色ではなく、濃い琥珀色で熟成したコク味がある。甘みもほど良い。町の95%が森林という鳥取県若桜町の太田酒造場の一品。漬け床の酒粕は純米酒の粕で、地元産の米を使用。これに地元の秋大根ときゅうり。素材から加工まですべて作り手がわかる100%地元産仕込みだ。
太田酒造場は100年前に酒づくりを開始したが、昭和の終わり、酒の需要が大幅に減少し、泣く泣く酒づくりを休造。現当主の太田義人さんは無念極まりなく、策を練ること10年。「自分たちが飲む分を仕込む」気持ちで復活を計ったという。外から杜氏を雇う余裕はなく、弟の清人さん、従兄弟の中島敬之さんの身内トリオで再スタートを切る。
「米だけの酒、純米酒がつくりたい」。醸造用アルコール、糖類、酸味料を添加した酒はつくらない。お酒はひと夏越して味がのってから売る。これが信条。
米の豊かなうまみをもつ酒は燗酒にすると真価を発揮。みそや醤油、漬け物など、日本古来の発酵食、発酵調味料を使った料理にぴたりと合う。そして漬け物にも。
お酒のタンク、そして酒ラベルには米農家の名が記載。赤松地区の山本敬二、糸白見地区の前田寿則という具合。酒は麹に使う米と掛け米に使う米は変えることが多いが、太田酒造場では絶対にしない。「一生産者、一種類の米で仕込みます。混ぜると酒を買いにきた米農家さんがガッカリするので」と太田さん。
だからこそ、米の個性がよくわかる酒に仕上がる。酒米は鳥取県のオリジナル品種、強力(ごうりき)と鳥姫(とりひめ)に、玉栄(たまさかえ)、五百万石(ごひゃくまんごく)、山田錦(やまだにしき)の5種類。地元の契約農家に加えて、杜氏(中島敬之さん)と社長(太田義人さん)も酒米を栽培している。米の作り手の気持ちがわかるので「一粒足りとも無駄にできない!」そんな純米酒は評判も上々。わずか2タンクから始めた酒造りが、今や15タンクを仕込む。
うまい酒だから、しぼった酒粕もうまい。この粕を有効に利用しないと勿体ない。考えたのがなら漬けだった。保存食が得意の義人さんの母、百合子さんが出雲杜氏に教わった漬け方をもとに試行錯誤。その結果、塩で3回、酒粕に7回漬け直すことにいきついた。熟成期間2〜3年という。なんとも手間ではないか。
どうしてこの回数に? と百合子さんに聞くと「それがおいしかったから」と笑う。
塩で漬ける毎に塩辛さは増す。3回漬かり、塩辛さがピークを迎えると酒粕へ移す。そして7回粕を移動。新たな酒粕に漬け直すたびに塩気が抜けていく。まるでジェットコースターのよう。いったん高く上がって、降りてくるかのごとく。そして、ほどよい塩気になった時、粕漬けの風味と味わいも最上になる。完成間近になると百合子さんを筆頭に家族全員で味をチェック「まだ早い」の判断がくだると再び粕へ。最高9回漬け直したこともあるという。
蔵仕込みだから酒に合うのは当然。このままでいい佳肴になるが、お茶漬けも良し、海苔巻きの芯にも良し、刻んで豆腐とあえるも良い。漬け物のおおもと米の酒と一杯やれば、なんともおつな晩酌になる。
田植えから数えれば、どれほどの人の手がかかっているだろう。いい米はうまい酒をつくり、うまい酒から至高の酒粕漬けが生まれる。持続可能で、受け継がれていく楽しみの連鎖がここ若桜にあった。
漬け物床の酒粕は漬ける度にどんどん塩分が上がり、その役目を終えると塩を欲する牛の餌になるという。牛までもが楽しんでいるとは恐れ入るではないか。
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●辯天娘さん2009年の蔵訪問
http://www.yohkoyama.com/archives/3413
この時、登場の辨天娘リアル娘の陽子さんは
竹鶴にお嫁にいきましたとさ。鳥取の宝、広島へ。さらなる宝になるでしょう。
酒米・強力にはいろんな思い出があります!
上原先生と一緒に飲んだことも忘れられない強烈で楽しい思い出です。上原先生の素晴らしいご指導、そのひとつひとつを噛みしめて思うのは、人は何が残せるか。
やっぱりこの強力という米は特別な力があるように感じます。
再掲・山根正紀さんブログより
山根語録で好きなのは「厳選日本酒手帖」にも書きましたが
「米には、私達が知らない”未知の領域”が隠されているように思います」
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そこなのです!
Topics: event, ご当地もの, 日本酒 | コメントは受け付けていません。