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August 29, 2009
岩国「古賀」で野菜コース+獺祭23%
山口の山奥の小さな酒蔵を出て、山口きってのBig City 岩国へ。
桜井博志さん。「山田錦しか使いません。純米吟醸以上しかつくりません。ブランドは獺祭だけ」と潔い酒づくり。わかりやすいことこの上なし。優先順位がハッキリ。経営かくあるべし。
そしてモノ選びのセンスの良さにも毎回感心。車もファッションもお金をかけずにスマート(常務である息子の一宏さんも奥様もいつもスマート)
桜井さん全身ユニクロの日も(多々)ありますが、それもおしゃれ。スリムな体型マル!
蔵元の皆さん、酒造業関係の皆さん、太ってはぜったいだめです。ただでさえ「日本酒は太る」と思われがち。そこへ太って(さえない)蔵元(及びその関係者)がいたら誰も日本酒、飲まんでしょう。
デブの素酒と思われて仕方ありません。業界あげてスリム化促進!
……と、言ってる自分にもムチ、バシッ。
車はアルファロメオ。ネットで86万円で購入。息子さんが乗っているローバーは20万円。買い物上手です。
念願の古賀さん。「古賀で野菜づくしの懐石を」という至極なお誘いを受けたのは2ヶ月前。
そして、カウンターへ。
最初の一品は、加熱したイチジク、ねりごまがけ。お酒は獺祭の純米大吟醸 23%磨き。清冽な味わい。乾杯にふさわしいはじまり。
ご主人の古賀さん。頑固一徹職人!和食一筋。カウンターの正面壁面がすっきり何もないのもいい感じ。
清潔な空間! これが一番のごちそうの背景だと思っています。
そしてヒンヤリした冷気が…と思ったら「おつくり」登場。
15cm角くらいの真っ白い氷ブロッグの上に、オコゼの刺身がon。茗荷、ねぎ、カイワレと薬味たっぷり。身、皮、肝と各部位が。
「山口では冬のフグに対して、夏のオコゼと言われています」と桜井さん。美味なるフグ同様、淡白という言葉だけにおさまらない、上品な味幅あり。甘み、うま味、香ばしさが部位別にきちんとあり。丁寧な仕事ぶりがひと切れから伝わりました。
お次は、片口の器に温かい一品が。里芋のエビあんかけです。青いすだちがすきっと香るお出汁がこれまたおいしい!
そして焼物。松茸です。カットもきれい。今年2度目。
自分好みに目の前で焼き上げる酒肴。
火が通るまで23%で喉を潤して凝視して待ちました。
野菜の味を邪魔せず、口中、クリーンをキープする23%。
野菜、しかも素材をいじらない料理には最高。贅沢極まりなし。
私はお肉、乳製品が苦手なので「この酒は肉にあう、チーズにあう」と言われても、ちっともそそられないのです。
「松茸にあう」と言われたら反応大!
トリオで参加、桜井ファミリー。素敵なオーダーありがとうございました!
焼きたてアツアツの松茸にスダチをじゅっ。ふふ。
23%をすっ。ほほ。
ゆっくりじっくり焼いていきます。松茸と23%で岩国の夜はふけていく。
そしてお椀が! ブラック&レッド
なんとトマトを葛衣でくるみ、揚げてありました。大の葛好きなので目がハート! 表面やわらかぷるんつるん、中のトマトがジュシージュワジュワ。それらが一体となった出汁もうまし。これも23%にピッタリ。葛にあうお酒という選択。
するとNext! きましたよ。濃い系が冬瓜の器にはいって。
す、す、すっぽん!?
じつは、すっぽんは私には濃厚過ぎて人生でなくてもいい素材のひとつ。
ですが、あの特有の匂いがありません。
おそるおそる口に運べば、冬瓜の青い風味を生かした動物性を感じさせない淡いきれいな味。椎茸、焼いたネギの香ばしさあり。うわ〜。古賀さん、上手です。
高級特殊素材を使う場合、”これでもか”という、これ見よがし傾向の店がありますが、一切なし。
ですが、静かに強い主張あり。古賀さんは寡黙。お聞きすると短い言葉で解答が。オトコ和食職、古賀一徹!
”野菜好きな客”(肉抜きで)というリクエストに対し、古賀スタイルをどう盛り込むかが、じつによく考えられたコースでした。
ちょっと味が濃い系になったので、お酒を磨きを39%にチェンジ。
23%から入ると、39%は濃く感じました(味は比較対象、そして慣れが大きいことを痛感します)
ただ、冬瓜を口に含みだすと、39%が強いのです。桜井さんと「23%の方が合う」ということになり、23%アゲイン! 冬瓜に合わせるとなると23%が素直にあいます。
味との引き合い力!を感じました。
なんというお米贅沢をしてしまった夜。
畳1帖分くらいの田んぼを飲んだかも!?
最後は冷や汁でサラリ。
サラサラと。汁けのある味噌あじは〆に嬉しい。やっぱり最後は米粒!と思う、米をいっぱい身体に入れた一晩でした。
2007年12月。獺祭23%お酒の会の時のこと。
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