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August 9, 2016
テロワール天の戸 稲の花見2016 水の力を感じよう②
日本酒の8割は水
水の味が、酒の味の要ゆえに「水こそがテロワールだ」という人もいます。
天の戸の水は、蔵内に湧き出る「琵琶沼寒泉」を使用。
酒の水で有名なのは、兵庫県・灘の「宮水」。
硬水寄りの水で、この水で醸すと、しっかりした味の酒になると言われています。そういう伝説!?があってか、天の戸でも昔は、ミネラル(塩)を足し、硬水にした時代があったそうです。
今は、蔵内から潤沢に湧き出る水の良さをストレートに活かす設計に。硬水と軟水は、2〜3日しか醸造期間は変わらないそうです。
HPより→夏、酒米を作る水で冬に「天の戸」を仕込みます。水は酒の母です。酒の命です。酒米を育てる川の水の一部は地にもぐり、伏流水となって蔵で湧水となります。この水が天の戸の仕込み水となります。
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というわけで
「テロワール天の戸 稲の花見2016 水の力を感じよう」と題された今年の花見、副テーマは「水」!
コンコンと蔵内に湧き出る水は、一年中、枯れることがないそうです。
猛暑で、なんと魚がのぼってきていました! 暑さを避けるためか、冷たい場所を求めて、上流までのぼってきたようです。鮭以外でものぼるんですね。
天の戸の森谷杜氏と、お米博士の児玉 徹先生。
ひとつ前のブログでも紹介しましたが
茶碗一杯のご飯を作るのにどれくらいの水の量が必要か?
私は、「一日一合、純米酒」を以前からいい続けております。
それは、二十歳以上の国民が、一日一合の純米酒を飲めば、減反(生産調整)している100万haの田んぼが必要になるという計算です!
これに加えて、酒一合に必要な水の量が知りたくて、今回、杜氏に質問にきたのです
すると、タイミングよく、この新聞記事が資料に入っていたという!以心伝心?
そして、「一升の酒を造るのに、米の栽培から入れた水の量」に関して、児玉先生からも教わりました(関係各位の意見も入れて、平均値を計算中!)
「日本最大の横手盆地は693.59㎡。横手盆地は扇状地で、皆瀬成瀬川の作った沃野で、その扇端(せんたん)に水が湧き出る」と杜氏が説明
●まずは秋田県の地図を
横手の位置を確認
・・・・・・横手盆地は↑本当に広い
・・・・・・・・・・横手盆地↑
日本最大の横手盆地は693.59㎡
画像は秋田県南東部の横手盆地を中心とした県内でも土地生産性が最も高い米どころを撮しだしている。奥羽山脈と出羽山地に挟まれた平坦で肥沃な横手盆地は,南北約60km,東西最大15kmあり,西奥羽では最も大きい盆地である。内陸部に位置しているので,夏は30度を越し,冬の平均最低気温は零下4度にもなる。そして,積雪が早く積雪が2mに達し,雪解けが遅いため,水田裏作が阻まれている。しかし,人々は「大雪にけかつ(凶作)なし」と言っている。奥羽山脈は太平洋からのヤマセをさえぎり,冷害からこの地を守り,作物の生育によい環境をもたらしている。盆地の西縁を雄物川が南から北に流れ,大曲市で北から流れてきた玉川と合流し,西北に流れを変えて日本海に向かっているのが見える。この二つの川に流れ込む支流と,それから分かれる多くの枝堰や潅水路が網の目のようにいき渡り,地域の農業や人々の生活に恵みを与えてきた。続き→http://www.niaes.affrc.go.jp/jspace/map15.html
さて、当日の資料
水源を探す旅に出た時に、発見があったという話や
目に見えない川の存在のことが!
日本最大の横手盆地、693.59㎡内すべての田んぼに、スムーズに水が行き渡ることは凄いこと!これを今回、初めて実感。当たり前に水がある…ことなんか、ひとつもないのです。
手を合わせて拝みたくなるような、先人たちの苦労の一端がわかりました。今まで、そのことを意識せずにご飯を食べ、米の酒を飲んでいましたが、水源に思いを馳せるようになりました。
ああ、ありがたや!
さて、そんな水の話を聞いた後、蔵に戻ると
太陽ギラギラの夏日。秋田は、冬が寒けりゃ、夏暑い!
ですが、いったん蔵に入れば、ひんやり気持ちがよく、別世界!
蔵内に湧き出ている水は、冷たくて、やわらかな軟水。
その仕込み水を使って、お蕎麦のお振る舞いが!
蕎麦名人・高橋邦弘さんの一番弟子、羽後町在住の阿部専助さんによる、仕込み水で、打ちたてのお蕎麦です。みずみずしさ満点!
蕎麦がなんとも甘く、水の良さが伝わるおいしさ!
この仕込み水が各人にポットに詰められて、田んぼに行く前に渡されました。口をラップでおおったワイングラス&お茶も一緒に。なんと用意の素晴らしい!
蔵内に飾られた稲には生産者の名前が入っています。
誰がどの酒米を栽培しているか一目瞭然。
酒米の系譜・天の戸版もはってありました。今回も各人に配られました。
これが欲しい方は、来年ぜひご参加ください!
つづく
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