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September 26, 2016
朝カル「ひやおろし」の純米酒とおつまみ
朝日カルチャー新宿教室で2013年7月10日から毎月開催していた「純米酒を識る 日本を味わう」連続講座が終了しました その後の会は記事下で紹介。
見慣れたドアも最後。じつは来月から新しいフロアへ移動!4階から10階へお引越しです。
講座最初に、次の講座と引越案内をする担当の伏木淳子さん
9月24日のテーマは
「一度火入れの熟成感を楽しむ!純米酒のひやおろし大特集」
「ひやおろし」とは、冬に醸造したお酒を一度だけ火入れ(加熱処理)して、タンクのまま、春~夏~秋口まで半年以上貯蔵させ、ボトルに詰めて出荷する酒のことを、昔はいいました。
今、どんどん発売が早まり、8月初旬に出荷される「ひやおろし」もあり…。
熟成期間を経て、どのように、お米の酒は変化していくのでしょう?
搾りたての荒い苦味を感じる新酒にはない、おだやかでまるみのあるやさしい味になるといわれています。
とはいえ、最近はオールシーズン製造する四季醸造の蔵が増えました。また、搾ったらすぐ瓶詰めし、冷蔵貯蔵する蔵も増えています。昔のようにタンクで寝かして熟成させる蔵は減りつつあります。
そんな今だからこそ、「ひやおろし」の面白さとは何か、飲んで考える企画!「ひやおろし」だからできる味比べを、9種類のお酒で楽しみました☆
ひ・や・お・ろ・し
そもそも「ひや」で「おろし」ってナニ?
「ひやお」ろし、と呼ばれたり、意味がわかりにくい
そもそも日本酒の種類とは?・・・複雑怪奇!これほどバラエティに富んでいる酒は世界中でも珍しいのです。日本酒は火入れのタイミングが様々にあることが、バラエティに拍車をかけています。「生」とつくお酒には「生酒」「生詰め」「生貯蔵」に「生もと」まで、あり(生もとを生の酒だと思っている方もたくさん!)
〜そもそも日本酒は、何で加熱するの?〜
(通常の酒は2回火入れ=加熱殺菌)をお伝えしました。
飲み比べたお酒
●秋田県・雪の茅舎 高橋藤一杜氏(山内杜氏組合・前組合長)が考えるひやおろし VS 同じスペックのタンク貯蔵バージョン
『雪の茅舎 純吟』
山田錦/酒こまち55%精米 自社酵母
日本酒度+2 酸度1.7 アルコール16度 瓶貯蔵
『雪の茅舎 純吟ひやおろし』
山田錦/酒こまち55%精米 自社酵母
日本酒度+2 酸度1.6 アルコール16度 タンク貯蔵
「秋田酒こまち」は、蔵人たちの手によって毎年地元で育てられた新米を使用。麹だけは山田錦を使用。
●秋田県・ゆきの美人 秋田醸造・蔵元杜氏の小林忠彦さんが考えるひやおろし VS スタンダードバージョン
麹の米違いが、しっかり味わえました!興味深い飲み比べとなりました。
『ゆきの美人 純吟 火入れ』
山田錦/酒こまち55%精米 14号系酵母
日本酒度+6 酸度1.8 Alc.16度 瓶貯蔵
『ゆきの美人 純吟 ひやおろし 愛山麹』
愛山/酒こまち55%精米 14号系酵母
日本酒度+5 酸度1.8 Alc.16度 瓶貯蔵
定番の純米吟醸は山田錦麹を使用。「ひやおろし」は麹に「愛山」米を使用。ひと夏を越して、熟成したふくらみがほど良く感じられました。とはいえ、どこまでいっても「ゆき美」はゆき美!
ゆきの美人は全量、びん貯蔵しています。こちらの「ひやおろし」の上槽は4月で、その後、12℃くらいで9月まで貯蔵。
お米の「愛山」は1949年に兵庫県で育成された米。山田と雄町などを祖先に品種改良したお米です。
以上、お酒は秋田県能代の天洋酒店・浅野貞博さんからお取り寄せしました。
天洋酒店さん、10月1日から新店舗です!
そして
●静岡県・開運 杜氏の榛葉農さん&社長の土井弥市さんが考えるひやおろし VS ひやづめとは?(この商品は、会長の土井清幌さんが発案!)
どちらも「ひや」がつく商品です。
さて、その違いとは?これがじつに面白く、毎年、定点観測のように飲み比べしている2種類。熟成感がよくわかります。ひやおろし、ひやづめともに、麹米・掛米は山田錦の55%を使用。
そして、ひやづめは上槽後、2週間くらいで、熱酒機で火入れをして急冷後、瓶詰め。ひやおろしは、本当にタンク貯蔵!さすがの開運さんのお酒と、毎年うなっております。
●静岡県・白隠正宗 高嶋一孝蔵元杜氏が考える ひやおろし VS きもと65%瓶貯蔵とは?
造り自体はまったく同じ仕込み方法の2種類!
造り時期も醸造後半、同時期の酒!どちらも酒米は「誉富士」65%精米。きもと造り。酵母はNEW5と協会11号を使用(その理由も杜氏から聞いた話しを披露)。
白隠ファンなら、この飲み比べを是非!そして、必ずお燗酒で(できたら蔵元杜氏が推奨する蒸し燗で!)
◯ひやおろしは、タンクで火入れ、蔵内10℃で貯蔵。9月に入ってから瓶詰め。原酒のAlc.17度
◯きもと65は、加水し、瓶入れ直後に火入れ。3℃で冷蔵貯蔵して出荷。Alc.15〜16度
ひやで飲み、お燗酒で飲み。お燗酒が、ことのほか大好評でした!
最後は
●福井県・梵さん
「梵 純米吟醸 ひやおろし」
兵庫県特A産地区の山田錦と、地元福井県産の五百万石使用。
”ブレンド”して、タンク貯蔵というので、ちょっと興味があって購入。類似のスペックはないとのことで、単独でご紹介。深みある熟成感で、独自のひやおろしでした。
以上、静岡県沼津の丸茂芹澤酒店・芹澤 直茂さんからお取り寄せしました。
●電話055-931-1514 静岡県沼津市吉田町24-15 白隠正宗は全種類勢揃い!
さつまいも蒸し+フェタチーズオイル漬け+ひきたて黒胡椒をガリガリ。ズッキーニの塩麹漬け、きのこの酒煮、白菜の浅漬けスダチ入り
秋刀魚の塩焼き&広島・中川博さんトモコさん栽培の無農薬スダチ、紫玉ねぎのマリネ、ゴーヤの黒酢漬け、茄子の浅漬け
二十世紀梨、プルーン、落花生、ちりめんじゃこ、黒豆(能代産)、海老せんべい、などなど
秋田県出身の入江靖子さん、秋田酒ファンの原口亮さん
丹沢山・隆の醸造元、川西屋酒造店の蔵人である工藤恵美子さんも!
さて、次回は!
●12月は「2016年純米酒総決算」白熱居酒屋教室style!
https://www.asahiculture.jp/shinjuku/course/681ffbfe-e812-07a5-bf39-5779f3163978
すでに10名が参加決定と伏木さんより。変わり酒、凄い古酒まで面白三昧の会です。
●11月は「自然派紅茶を楽しむ 2016年摘みの最高級ダージリン」
マカイバリジャパンのオーガニック紅茶、インドの季節を飲み比べます!石井道子さんと
https://www.asahiculture.jp/shinjuku/course/d72bcd6e-72b6-ec47-e7ce-5790271e6480
を企画しています!
Topics: セミナー, 日本酒 | コメントは受け付けていません。