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April 10, 2017
朝カル「桜酒」特集レポ・その3 栃木の四季桜と「しもつかれ」
酒粕を使った栃木の郷土料理「しもつかれ」をご存知でしょうか?
その昔、aff「お宝!日本の「郷土」食 」で相澤酒造さんに取材した記事がコチラ↓
(本文転載↓)
不思議な料理名「しもつかれ」の語源は、栃木県の下野国(しもつけのくに)由来説。酢っぱい感じから「すみつかれ」となった説など、地域によってさまざま。そんな「しもつかれ」の本場、栃木県佐野市の蔵元、相澤酒造の社長相澤祥子(よしこ)さんに聞くと「大好きでよく作ります」というので教わりにいきました。
作る時は大鍋いっぱいという「しもつかれ」。全体が混じり合い、ぱっと見ても何が入っているのかよく分かりません。
「ダイコンが3本も入っているんですよ」と祥子さん。そのダイコンはニンジンともに包丁を使わず、鬼おろしで粗くおろすのが特徴。「節分を過ぎると、ダイコンは土から上の部分がふかふかと頼りなくなります。しもつかれはそんなダイコンがおいしくなるんです」
水は入れず、おろした野菜の水分だけでコトコト。「酒粕をたっぷり使うので日持ちもします」。「しもつかれ」は、作ったときには近所でのやりとりも盛んとか。
「お宅もあるだろうけど、うちのも食べてみて~と持ってこられますね。3軒分くらいはすぐに集まります。でも食べ比べると、やっぱりウチのが一番! って(笑)」
味の決め手はもちろん酒粕。その酒粕といいますか、お酒を造っているのが、娘の晶子(しょうこ)さん。栃木県初の女性杜氏です。越後杜氏と南部杜氏の酒造りを勉強し、全国新酒鑑評会で金賞を3年連続で受賞したこともある腕利き。銘柄「愛乃澤」は酒造好適米の山田錦をぜいたくに使った、きめ細かで華やか、上品な味わいです。
お父さんが亡くなり、覚悟を決め、人生をかけて蔵入りした晶子さん。精魂込めて醸す酒はどれも一本芯の通った味。銘柄はいろいろあれど、母・祥子さんが「しもつかれ」に使うのは、晶子さんが最も愛す「愛乃澤」の吟醸酒粕と決めています。これで作るときれいな味に仕上がり、「この粕でなくちゃ」と酒のしぼりを心待ちにするご近所さんも多いとか。
「もともとのしもつかれは鮭の塩味と酒粕の甘味だけで、調味料は入れなかったようですが、ちょっと醤油を加えると、これがいい酒の肴になるんです」
いいお酒が背景にあってこその相澤家のしもつかれ。母娘二代の共作。「一番おいしい」のは当たり前ですね。
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栃木県大田原市の「たわら寿」さんは、真剣に「しもつかれ」を応援しています。そこで店舗でプロの味を販売。その「しもつかれ by たわら寿」を特別に分けていただきました。酒粕は大那さんの新酒の粕。(季節限定商品のため、販売終了。ご興味ある方、来年ぜひ!)
たわら寿さんは地酒が充実しています!
https://www.facebook.com/tawarakotobuki/
「しもつかれ」は、冷凍すると長期保存できます。おすすめは、黒胡椒をゴリゴリひいて、トッピングすること。香ばしいピリ辛が加わって、おつまみぽくなります🌟
受講生の中に、栃木県出身の方と、お姑さんが栃木で毎年、手作り品を食べさせられるというお嫁さんも。その方達は、恐る恐ると口に運びます。
すると!
「こんな美味しいしもつかれは初めて!!!」と
そこで、お伝えしたのは、「しもつかれは、美味しい酒粕を使うことなんです」マズイ酒粕では、どんなに他の材料が良くても、激しくマズい。はい。
モーレツに「しもつかれ」を応援する「たわら寿」さん。今季はすでに販売終了ですが、ご興味ある方は、来年ご予約を。本当の「しもつかれ」の味を知りたかったら、超おすすめ!(しつこいですが、マズイしもつかれもあります)
そして、
栃木県で「桜」の酒と言ったら!
四季桜さんです!
宇都宮酒造・四季桜醸造元の今井昌平さん。杜氏になって5年目。
おすすめの四季桜を教えてもらうと、「今、速醸、山廃、きもと造りのお酒が3種類あります」というのでお願いしました。
しもつかれについて、お蔵のHPにこんなページが(click)しもつかれの作り方紹介もあり。
見栄えが悪い為、岩手の蔵人などは始めは箸を出しませんが、酒造年数を重ねる内、やみ付きの者も出てきます」
「始めは箸を出しませんが」(笑)
今井杜氏より「基本的に速醸を主体として行っております。以前岩手から来ていた杜氏より、生もと、山廃造りを学ぶということで初めは山廃を造りました。のちに原点に帰ろうということで、生もとに変更。今は山廃は造っておりません。今回お送りした山廃は最後の20本のうちの1本です。山廃は終売となります。生もとも3年に1度仕込みます。技術の伝承ということで生まれた山廃、生もとの純米酒です」
同じお米で、同じ精米歩合で、つくり方違いの貴重な飲み比べができました!
そのお酒はこの3種 ↓
●春(特別純米生酒) 季節限定品 柳田・五百万石 60%
alc15.0% 日本酒度+3.0 酸度1.6 栃木県酵母
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞特徴∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
やや辛口・淡麗口。あたりとキレの良さ
ほのかな甘味と香りが特徴です。720ml ¥1,300
・
●山廃純米酒(特別純米酒) 柳田・五百万石 60%
alc15.5% 日本酒度+4.0 酸度1.8 栃木県酵母
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞特徴∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
やや辛口・芳醇・程好い酸味。やわらかな口当たりで味に深みがありすっきりとした
酸味が特徴です。お燗にすると美味しくお飲み頂けます。720ml ¥1,360
・
●生もと純米酒(特別純米酒) 柳田・五百万石 60%
alc15.5% 日本酒度+4.0 酸度2.0 栃木県酵母
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞特徴∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
やや辛口・濃醇。桜のイメージ通りのさわやかでしっかりした味わいと
キレの良さが特徴です。お燗にすると旨みが際だちます。720ml ¥1,360
・
おすすめの温度を聞きました
「春は速醸の生酒なので、冷酒で。山廃は熟成酒なので、お燗。生もとは、常温がおすすめです」と今井杜氏
↑荒木美香さんの写真拝借。美香さんは付箋も持参(箸も!)
四季桜の 仕込み違いの飲み比べ
左から、速醸 山廃 生もと
山廃はもうお造りにならないそうで、最後の20本のうちの一本。レアな飲み比べ!
どれも同じ地元のお米を使った、つくり違い。それぞれの味わい違いが3本並ぶと、花が咲いたように、壮観です。
皆さんからは「春」のフレッシュで美しい味わいが大好評。「きもと」のかっちりとした味わいも良かったです!
今井杜氏は、つくり始めてまだ5年と言いますが、頼もしさ十分!
四季ごとに楽しみたい四季桜のお酒、これからがますます楽しみです(^。^)
つづく
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