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July 8, 2019
2019年6月25日「大阪・秋田の酒きき酒会」
「大阪・秋田の酒きき酒会」2019年6月25日に開催。関西圏(札幌からも!)大勢のお客様が集まり、熱い会となりました。
秋田県酒造組合から、ご依頼を受け、特別企画の講演会の内容を詰め、進行役を務めました。
演題は「徹底紹介!秋田のお宝酒米」
個性豊かな秋田の酒米について、浅舞酒造の森谷杜氏を主に、お尋ねする形をとり、進行を務めました。
話の要点は以下の通り
●CONETENTS
・オリジナルが多い!秋田の酒米&酵母
酒米は多種多様秋田酒こまち〜
最新の120号、121号
最古の現役酵母6号〜
最新のAKITA 雪国酵母UT-1、UT-2
・
・秋田の蔵は地域と連携!酒米研究会の歴史
・豪雪が酒造りに最適な環境と豊かな水を生む
・おいしさの源に秋田杉あり
・秋田の酒蔵は個性派揃い☆
・イケメンが多い!酒がウマイ!歌もウマイ!?
・
一級河川の雄物川、米代川、子吉川が豊かな水利、全域の耕地を潤す
酒造りに適した酒造好適米が多い
「美山錦」「吟の精」「美郷錦」
「秋田酒こまち」
新品種「秋田酒120号、121号」
各地域で酒米研究会の活動が盛ん
天寿酒米研究会は発足して、30年以上!
各地にあるのが特徴!秋田の酒米研究会
各地域の研究会では、栽培適地を厳選し品質の安定をめざして契約栽培を行う
栽培から出荷まで一貫した体制で良質の酒米を生産
良質な秋田米を贅沢に使用。豊かできめ細かい酒の味を生む🌾
これらを写真でご紹介!
〜半農半醸〜「この風景を瓶につめたい」
夏は田んぼで米つくり、冬は酒蔵で酒造り
秋田県横手市・天の戸醸造元 浅舞酒造杜氏 森谷康市杜氏
夏田冬蔵とは「夏は田んぼで米つくり冬は酒蔵で酒づくり」
天の戸の取り組み
半径5kmの米と水で純米酒のみをつくる
全国新酒鑑評会の金賞「秋田酒こまち」の純米酒で通算13回目の受賞を誇る
22BYより全量純米酒仕込み
翌年、蔵のアル添酒がなくなったことを確認して、全量純米酒宣言!
JA秋田ふるさと平鹿町酒米研究会
すべての酒米は、蔵から半径5キロの田んぼでつくっています!
・
「私たちは稲の種を醸し 飲んでいる」
雪=不自由のおかげ ほかにないもの
腹を決めると「不自由」がありがたい
一口に酒米と言っても姿かたちが違う
秋田と全国の酒米の系譜
〜なにがどう進化してきたのか?〜
酒米をわかりやすく人に例えると・・・
亀の尾「長身の天女」
美郷錦「おちゃめな怪人二十面相」
美山錦「気むずかしい麗人」
星あかり「柳腰美人」
吟の精「田んぼの室伏広治」
2019年度は
山田錦は吉永小百合(としましょう)
秋田酒こまちは佐々木希
美山錦は北川景子
吟の精は米倉涼子
美郷錦は沢口靖子
星あかりは黒木華(はる)
亀の尾は夏目雅子
佐々木希は、佐々木希
吉永小百合にはならないし、してはいけない。
・
◇山田錦の玄米タンパクが少ないからと言って、他の品種の稲体の窒素を落としすぎると体力のない稲に子供を産ませるようなことになりやしないか?
◇もともと山田錦は磨けば磨くほどきれいな味になりやすいタイプ。美山錦、吟の精は60%の時の米の味わいが40%でもかなりあるように、品種ごとによって味の分布として米の断面が違うのでは?
・
とある東京の有名地酒屋さんから、
「森谷さん、蔵から半径5キロの米だけで酒を造る、だから何ですか?」
「杜氏だったら最高の酒を造りたいはず、なぜ山田錦で造らないのですか?」
と言われた・・・。
・
山田錦を見て決意!〈H16エピソード〉
◇ミスター山田錦の「龍力」の本田会長さん
「森谷杜氏のつくった山田錦の大吟醸が飲んでみたい
特A-aの山田錦100俵、いつでも送りますよ」
→ 田んぼを見せてください
兵庫の山田錦を酒米研究会で見学
食用米が黄金色の時に、「青い」「黒い」かなり晩生 。山間部が特A-a地区、台風の塩害を受ける海に近い。姫路あたりからすると千粒重が2グラムほど重い。乾燥時の穀温は28℃が上限
稲刈り時期に
「もや」「朝露」のかかるところはいい酒米が穫れる
酒米はすべて特別栽培米規格。農薬を半減し、有機質の増えた田んぼには虫が増えた
「暑い夏は、タニシが用水路に避難。ひところ見かけなくなったタニシがゴロゴロいます。私が、毎日川遊びをしていた昭和30年代に戻った感じです」
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ここからは
秋田県総合食品研究センター
秋田県醸造試験場 場長 渡邉誠衛さんに伺います。
●最近の秋田のお酒情報
平成30酒造年度全国新酒鑑評会
秋田県が28年ぶりに、金賞受賞率全国1位!
全国新酒鑑評会 秋田は県産米と純米酒の出品が多い
平成30酒造年度全国新酒鑑評会では、秋田県が28年ぶりに金賞受賞率全国1位に。
〇金賞数は福島県の22点に次ぐ18点で全国2位だったが、都道府県 の出品点数が公開され、秋田県は金賞率で全国1位が明らかとなった
〇秋田県は、出品酒28点中18点が金賞を受賞し、出品数に占める金賞の割合(金賞率)が64.3%で全国1位
2位は宮城県で24点中金賞13点(金賞率54.2%)
3位は福島県で43点中金賞22点(金賞率51.2%)で
秋田県は2位以下を大きく上回った
〇今回の鑑評会には、沖縄県を除く46都道府県から857点が出品され、
237点が金賞を受賞し、全国平均の金賞率27.7%に比較すると、東北の金賞率は高く、中でも秋田県はぐんを抜いた
〇過去に金賞率が全国1位になったのは、28年前の平成2酒造年度で、金賞数26点(金賞率78.8%)以来
・
●UT- 1、UT- 2 酵母って?
https://www.furusato-pr.jp/specialty/akita/arif1.html
AKITA 雪国酵母UT-1 UT-2
Akita Snow Country Yeast
技術ポイント 秋田県総合食品研究センター醸造試験場では、流通耐性に優れていて、香りの劣化が少ない酵母を開発
清酒の香り・味・色は、時間の経過に伴い温度・光・酸素により熟成して変化していきます。特に、香りの高い清酒ほどは早く変化
AKITA 雪国酵母は、純米・吟醸酒に適し、香味のフレッシュさをキープ、海外市場で想定される過酷な流通・貯蔵環境でも変化しにくい特性を持つ
UT-1 リンゴ、メロン様の吟醸香のカプロン酸エチルが高く、アルコール耐性を有し、香味のフレッシュさを持続し、華やかでフルーティーな香りと、含み香を伴う膨らみのある味の酒を醸す。
UT-2は、バナナ様の吟醸香の酢酸イソアミルが高く、イソアミルアルコールが低く、オフフレーバー(ムレ香)の生成が低い特性が。香味のフレッシュさを持続し、シャープで軽快なお酒を醸す。
●「AKITA雪国酵母」海外輸出に適した新酵母開発
AKITA雪国酵母は、既存の酵母「こまち酵母スペシャル」の改良を12年から重ねた結果、海外の店頭に並ぶまで長期間、常温の環境に置かれても、フレッシュな香りと味わいが損なわれることがこれまでより少ない酒が造れる酵母に
UT-1 酵母==香りが、カプロン酸エチル系 リンゴ、メロン様の吟醸香
UT-2 酵母==香りが、酢酸イソアミル系 バナナ様の吟醸香
●秋田の蔵は地域と連携!
天寿酒米研究会 昭和58年に設立。蔵人を中心に、地元の一般農家の協力も。無農薬栽培にも取り組む。
秋田酒こまち・美山錦を栽培。 酒造りは、米作りから
春霞・秋田県仙北郡美郷町六郷字米町56 栗林酒造店
美郷町・春霞✕美郷錦
平成10年結成、美郷酒米研究会
●秋田の蔵・人は個性派揃い
とてつもなく古い秋田の蔵No.1 飛良泉 創業は室町時代!
京都に銀閣寺が建立された1487年の創業、五百年以上!
現当主の斎藤雅人さんは26代目。今回は27代目登場!
破魔矢から見つかった蔵つき酵母も
●山内杜氏 高橋藤一杜氏がNHKプロフェッショナルに登場!
独特の「三無い造り」
①櫂入れをしない ②原酒に加水をしない ③炭素濾過しない
3nai Golden Touji が歴史をつくった
全員が山内村出身で黄綬褒章を受賞
NHKプロフェッショナルに登場の高橋藤一杜氏は
昭和20年7月8日生まれ 山内杜氏組合前々組合長
雪の茅舎・斎彌酒造店
照井俊男杜氏
昭和22年1月30日 山内村生まれ
山内杜氏組合長 阿櫻
元・高橋良治元杜氏 昭和21年8月27日山内村生まれ
前山内杜氏組合長前 まんさくの花 日の丸醸造
●NEXT5
秋田の造る蔵元集団 NEXT5
「未来の秋田の日本酒業界は俺達が牽引するんだ!!」という強い気持ちと高い志を持ち、技術交流は勿論、前代未聞の共同醸造酒の製造や、話題性のあるイベント等を積極的に行う
メンバー
白瀑・山本 山本友文 ゆきの美人 小林忠彦
春霞 栗林直章 一白水成 渡辺康衛 新政 佐藤祐輔
●歴史ある建物の蔵も多い
秋田県横手市増田町 まんさくの花醸造元 日の丸醸造
建築的な価値の高い、内蔵・文庫蔵を所有
●杉
日本で一番背が高い天然杉は樹高58m
秋田県仁鮒水沢スギ植物群落保護林にある!
杉材は日本酒造りの材に使われる
新政酒造と「ゆきの美人」では「麹蓋(こうじぶた)」を使い、丁寧に米麹をつくる
●「酒屋唄」
民謡「酒屋唄」は作業唄
メトロノームでありストップウオッチ!
♪さんさ酒屋の 始まるときは へらも杓子も
手につかぬ 宵に酛摺り 夜中に蒸す 朝の寒さに 酒造る
①修行の時代を ②低温長期発酵を表す!
歌と解説 天の戸醸造元 浅舞酒造杜氏 森谷康市杜氏
・
●純米酒一升は、畳2枚分の米(秋田では)
純米酒を飲むことは、日本の農業と緑を守る大切な仕事
他にもいろいろな話が出ました!
興味がつきない秋田の酒造りです。
時間ぴったりに終了!
司会は伊藤洋平さん。講演中は写真がほとんど撮れず・・・
ここから第二会場「きき酒会」の写真です!
いろいろ撮りきれず・・・残念
天の戸さん
新政さん
ゆきの美人さん
飛良泉さん 27代目のっぽさん
雪の茅舎さん
出羽の富士さん
春霞さん
大納川さん
大納川の住山さんと今野さん
天寿さん
福小町さん
阿櫻 照井杜氏さん
秋田晴さん
山本・白瀑さん
まんさくの花さん
佐藤さんと三井さん
日本酒も紅茶の本も読んでくれているという女子!
ゼロから分かる!図解日本酒入門を持参くださったお豆腐やさん(お酒も置く予定とか)
池袋東武百貨店のお酒売り場に勤務するりかさんが大阪まで!おそろいチックなスーツ
秋田の重鎮が打ち合わせ中!?
なんとも、充実の1日でした!
・
●備忘録
http://www.osake.or.jp/info/190509.html
~米の秋田は酒のくに~
演題「徹底紹介!秋田のお宝酒米」
◎時間:11:00~12:00
◎会場:2F 月の間
【講演者】
・森谷康市 浅舞酒造(株) 杜氏
・山本洋子 酒食ジャーナリスト
主催秋田県酒造組合
後援仙台国税局
お問い合わせ秋田県酒造組合
〒010-0944 秋田県秋田市川尻若葉町1-12
TEL:018-863-6455/FAX:018-862-0940
日時2019年6月25日(火)12:00~15:00(受付11:30)
対象酒販店・飲食店・業界関係者
流通・飲食店等業界関係者を対象とした試飲商談会です。
※一般の方は入場できません。
講演会は、1社1名。
●内容
銘醸地秋田県の酒蔵27銘柄が各蔵の自慢の逸品とオリジナル酒米「秋田酒こまち」や、美山錦、美郷錦、吟の精等多様な秋田県産の酒米で仕込んだ清酒を準備してお待ちしております。
新しい酒米「秋田酒120号」、「秋田酒121号」で仕込んだ清酒の試飲コーナーも準備しております。
酒質やタイプが一目瞭然の出品酒リストを配付いたします。
秋田県の特産品販売を同時開催いたします(きりたんぽ、稲庭うどん、いぶりがっこなど多数)。当日の販売は(株)秋田県物産振興会が行います。
●出展銘柄
出羽の冨士(株式会社佐藤酒造店)/大納川(株式会社備前酒造本店)
秋田晴(秋田酒造株式会社)/北鹿(株式会社北鹿)
千代緑(有限会社奥田酒造店)/飛良泉(株式会社飛良泉本舗)
高清水(秋田酒類製造株式会社)/雪の茅舎(株式会社齋彌酒造店)
爛漫(秋田銘醸株式会社)/ゆきの美人(秋田醸造株式会社)
春霞(合名会社栗林酒造店)/山本(山本合名会社)
奥清水(株式会社高橋酒造店)/両関(両関酒造株式会社)
阿櫻(阿櫻酒造株式会社)/新政(新政酒造株式会社)
秀よし(合名会社鈴木酒造店)/福小町(株式会社木村酒造)
出羽鶴(出羽鶴酒造株式会社)/刈穂(刈穂酒造株式会社)
まんさくの花(日の丸醸造株式会社)/太平山(小玉醸造株式会社)
天の戸(浅舞酒造株式会社)/天寿(天寿酒造株式会社)
一白水成(福禄寿酒造株式会社)/一滴千両(秋田県醗酵工業株式会社)
銀鱗(株式会社那波商店)
●会場
大阪新阪急ホテル2F 紫の間
〒530-8310 大阪府大阪市北区芝田1-1-35(大阪新阪急ホテル)
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