Archive for October, 2008
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October 31, 2008ぐっと寒くなりました。床暖房入れてます。
30日はかれこれ20年の付き合い、ひるちゃんの誕生日。
深夜に駆けつけ、とっくり形のキャンドルを点火してプレゼント!
とっくり形をことのほか喜んでくれました。 めでたし、めでたし。素敵な1年にね!
いくつになっても誕生日はいいもんだ! 山口県の獺祭の活性にごりで〆の乾杯。
あづささんとチクテカフェ。リョクさんとディーン&デルーカ。
28〜29日は三重県津市出張。「寅とさくら」で森喜酒造さんのお酒をいただく。さやかさんおすすめは「英(はなぶさ)」の生もとづくり、純米無濾過あらばしり。
「英」のシリーズは伊賀上野で栽培した無農薬の山田錦を使用。
しかし、グラスを皿に乗せて注ぐスタイルは手がべたついて超苦手。悪しき風習だと思います。撲滅運動委員会を結成せねば(会長は小島 稔さん!)
「寅とさくら」のメイン酒は森喜酒造なのです。店のスタッフが蔵に行き、蔵元もくるという間柄。お酒は鈴鹿の安田屋さん経由。
一緒に行った玉さん、和さんも同じものを。その後、にごり好きの玉さんは「花垣」を注文。和さんは「すっぴん るみこの酒」を。
そしてお燗へ。同じブランドで、山廃と速醸もとを飲み比べてみる。 いい感じのお燗温度でやってきました。
なぜかとっくりは「杜の蔵」。バーナーを笑いながら使うさやかさん。いつもスマイル。
27日は「海の精」さんへ。「岩塩は嗜好品としてなら悪くないけれど…」。日本人なら日本の塩!という話を社長の村上さんから伺う。
日本に"精製塩しかない"という非常事態に立ち上がった運動が海の精の前身。30年前の出来事です。今は規制緩和でさまざまな塩が流通していますが、本当にいい塩ってなんだろう?という議論はないまま、いろんなメーカーがいいたい放題というのが現実。真面目に塩問題を考える3名に伊豆大島出身の寺田さんが独演会状態で話そうとする(笑)。ふと沖縄の宮城さんを思い出すやまよであった。
静岡県の高砂を、このあと福島の大七をお燗で。冷蔵庫でギンギンに冷えていた大七「これは冷やして飲むのよ〜」という女将さんを口説いてとっくりを重ねるのでありました。
新宿・船場にて。
日本酒っていいな!米子の「ひさ」
October 30, 2008ヤマモトヨウコの場合、ブログで書く内容はその日の出来事 ではない ことが多いです。「岡山に毎日行って、合間に沖縄に行ってまた岡山に行ったんですか?」と言われてびっくり。ちゃいまっせ。思い出し日記。今日ご紹介する「ひさ」は先週22日の話です。
21日の最終便で米子空港へ。お気に入りB737-800! 窓際がとれず通路席でしたが、出発間際になっても隣に誰もこない。やった〜っ窓際に移動だ!と笑いを噛み締めながら左を向くと、やや、あるべきはずの窓が……ない。
あ…、そういうこと。ヌカヨロコビ。
翌日、米子コンベンションセンターへ境線で向かう。
会議が終わり、米子の商店街を視察。ほとんどがシャッターで、想像以上に寂しい状況。そんなうす暗い商店街の中、ところどころ遺産ともいうべき店が!
松原ボタン店! 30年前から品揃えが変わっていないかも。とっておきが見つかりそう!
廃屋と見まごうばかりの店が多いなか、リノベーションして成功したおしゃれな店も。
とはいえ、こんな感じの店もドッコイ生きてる「ケイ食喫茶 キャープ」。キャープってなに?
1年間にいくつ売れるのだろう…の琴やさん。古い銀行をリノベーションした人気の「ドドド」
そんな米子の商店街で日本酒の素晴らしい品揃えの店が。その名は「ひさ」。以前から噂は聞いていたものの機会がありませんでした。最終便の飛行機まで持ち時間は1時間半。扉に準備中と札があるもののそうは言ってはおられない。
「何時からですか〜〜」と、入れてよモード全開で扉を開けて言うと、ご主人が奥でお品書き作成の真っ最中。
「まだなんですが…。でも、どうぞ!」
「やりましたね!!」同行してくれた鳥取県庁 Sさんと指ガッツポーズ。女子ふたりの眼力でしょう!(じょしか?)
十四代に九平次に磯自慢に雑賀に神亀。なんとなんと、全国の美酒が! 好みがいっぱい!
店主おまかせ3種セットがあるというので、ここはひとつ、地元酒中心でお願いしました。
そうきましたか! 千代むすびの強力ひやおろし、中央のゴールド色は16BYの山陰東郷、佐賀の東一。
日本酒は好きだけど「十四代」を知らないというSさん。「貴重なお酒なんですか?」
いいなあ、いいねえ、そうよねえ。普通はそう、かもしれない。
というわけで、Sさん向けにセットされたのがこの3種。「おいしいです〜っ!」と幸せ顔。
「緑川」といってもよくある緑川ではないとか。「雪洞貯蔵酒 緑」といってゆっくり熟成された純米吟醸酒。ほんとだ、この緑川は悪くない。ご主人やりますね。取り替えっこして二人で計6種を味見!
お酒のセンスがいい「ひさ」のご主人。境港市渡町出身とか。
「どうして境港でお店をしなかったんですか」
「人がいないでしょう(笑)」
お通しのシラスの刺身
「十四代」先日はなんと6種類揃ったそうです。とはいえプレミアム価格なんてことは一切なし!
王祿の生原酒、管理状態も文句なし!
よなよな日本酒ファンがつめかけると聞いてます。とはいえマイナーな日本酒。「ひさ」はホームページなし。商店街は人気がなし、どうやって「ひさ」を知るのだろう
「先日、初めてのお客さんが見えられましてね。どうしてうちを知ったのかと思ったらこんな話を聞かせてくれました
『米子の駅前で飲んでたんです。日本酒が好きで、続けて何杯も飲んでいたら、その飲み方を見てた隣のお客さんが声かけてくれましてね "あなた日本酒が好きなら、こんな店で飲んでちゃだめです。「ひさ」に行きなさい " って(笑) 店の地図を書いてくれました。声かけてくれた人は、いつもは「ひさ」で飲むのに、その日は地方からきたお客さんの汽車の時間がせまっていたため、仕方なく駅前で飲んでいたというんです』
いい話だなあ。日本酒好きはいい人が多い。いえ、いい日本酒が好きな人はいい人が多い。いや、いい日本酒を大事に飲む人は、いい人が多い…かな。
「ほんとに最終便で帰っちゃうんですか。飛行機は明日もありますよ」という店主とS女史の悪魔のような誘いには乗らず、時間ぎりぎりまで楽しませていただきました。
●ひさ
鳥取県米子市四日市町50
電話 0859-31-0505
検索したらこんなコメント発見!
http://blog.zige.jp/subaru/kiji/1742.html
http://blog.murablo.jp/daisen/theme/2126.html
食欲の秋、素材の秋。各地から
October 29, 200810月も28日。今朝から三重県にきているやまよです。こちらは秋晴れ!
さて、ここ最近、食欲の秋、素材の秋でおいしいものが山積みです。地方各地からおいしいものが続々届いております。まずはトキひかりの新米届く。
新潟県新発田の高澤さんより。佐渡島のトキひかり、村山米店から到着。
トキがいる、いてくれる田んぼが、人にも米の味にもすべてよかったということです。感動秘話はめだかの学校に詳しくあり。トキひかりはおむすび茶屋で味わえます。
NEXTは
上質の大豆を栽培する権現前営農組合のこしひかり。新米は輝いた粒、粘りあり、うまみ系たっぷり。堆肥は「松阪牛の牛フン」使用。フンが違うと旨味が違う!?
権現前とは地域名です。地大豆「美里在来(みさとざいらい)大豆」もおいしい!
父から自分作ではないサツマイモが届く。境港市の渡町の渡部武治さん作。「あまりにも美しくおいしいから」。弓ケ浜半島で採れるので「浜かんしょ」と呼ばれています。
渡部さんいただいてます! 早く食べます〜!
そして
秋田に旅したライターの佐々木香織さん(編集した本はこちら)から諸井醸造所のしょっつる2種。右は違うメーカーとコラボレーションした新商品とか「味比べしたら面白いと思って!」。諸井さんのしょっつるは透明感が特徴。丁寧な長期熟成のたまものです。だしといえば”顆粒”を使っている人に教えてあげたい。これ一滴あればOK!便利な天然極上うまみ調味料。「鍋通亭しょっつる」楽しみです。
10月26日 EAT JAPAN in Tokyo Marunouchi LIVE! マルシェ
October 27, 2008EAT JAPAN in Tokyo Marunouchiのイベント「LIVE! マルシェ」が丸の内仲通りに現れました。純米蔵も出店。「昇龍蓬莱」大矢孝酒造の8代目大矢俊介さんが説明中。
三重県のあだこの漁師軍団「的矢湾あだこ岩がき協同組合」も出店するというので行ってみると
いたいた! 畔蛸(あだこ)町で漁師で猟師で百姓で民宿北川の料理長でもある北川聡さんが
「いらっしゃい、こうてや!」
アジ、イワシ、カマスのきれいな干物を販売中。普通のラインナップにはない商品。
「この日のために、つくったんや!」なるほど
隣のキッチンカーではなにやらいい香りが
アツアツの焼きたて貝セット500円、伊勢えび一匹入った長寿汁500円! ほかほかのうに飯500円を販売!
畔蛸の海の幸がどっさり。ワカメもたっぷり、ウニもたっぷり。畔蛸はリアス式海岸の海、そして山に恵まれた地。あだこの漁師軍団は岩牡蠣、サバやカツオの1本釣り、伊勢エビ、アワビも自慢。米も野菜も作り、山でイノシシを追いかけ、魚種色々で塩辛ほか保存食を作り、スーパー自給率を誇ります。その食材でもてなす民宿もあり。海で生き残りをかけてます!!
豪快な焼き物は伊勢エビ、ヒオウギ貝、サザエのグリル!
「先生、酒はないで、酒は向こうにあるで」と北川さんに冷やかされる。向こうのブースはチェック済みだけど(笑)この隣にあれば天国でしょう。
じつは北川さんはとあるところで”生徒”なんです。
永野竜弥さん、どんどん焼いてます!
ヒオウギ貝はオレンジ色のきれいな貝。ホタテ貝のような味で、甘みが強いです。
三重県庁から水産庁に出向している東京在住、山本くん(弟ではない)。今回も北川さんに呼び出されてこきつかわれてました(笑) これも修行だ。
「働いてます!」
たこ飯、うに飯をテキパキと売る北川さんの奥さん。地味で滋味な海藻アラメの味の特徴、料理方法など手短かに魅力的に語る北川さん。つかみバッチリ!どんどん売れてます。やまよも買いました。
なかなか盛況なマルシェイベントでありました。北川ファンに話したら「え〜〜っ、行きたかった!」という人がたくさん。素敵な生産者さんが集結したイベントだっただけにもっと告知があればと残念。次回に期待!
10月23日 EAT JAPAN in Tokyo Marunouchi報告
October 24, 2008FOOD ACTION NIPPONの一環で開催されたEAT JAPAN in Tokyo Marunouchiは「大人の食育・食体験」がテーマ。神亀酒造 専務取締役(通称、亀専務)小川原良征さんが純米酒のワークショップを開きました。
お題は「旨い純米酒を守る、それは豊かな時間を育むこと」
「純米酒は日本酒全体の10%弱しかありません。90%は醸造用アルコールが入っています。なぜ醸造酒に蒸留したアルコールを入れなくてはならなかったのか、その背景には戦争があったのです」寒冷地で飲むための凍らない酒づくり!?
亀専務が大いに真面目に純米酒の過去、現在、未来を語ります。いい話が盛りだくさんで、聴けるのがたった50名とはもったいなさすぎでした。
純米について第一部、そして第二部は純米酒を実際に飲み、それぞれに合う肴で相性を確認。藤田千恵子さんが専務にせまります。
ほー、そー、なんと!!が続く専務の話。ホワイトボードには読みにくくてごめんなさいのやまよの文字が並ぶ。
ときどき照れる!?亀専務。
今宵はこんな豪華なラインナップ!
神亀酒造が日本で初めてつくったスパークリング純米酒”活性にごり”、そして神亀の最高位である純米大吟醸! 神亀のスタンダードである純米酒。大吟と純米は温度を変えて飲み比べました。別モノに変化するのを楽しみます。日本酒を楽しむ温度はひとつじゃない!
今回初めて知りましたが
純米大吟醸(40%精米)を1升つくるのに必要な玄米は、なんと3.75kg!!!
純米吟醸(50%精米)を一升つくるのに必要な玄米は 3kg!!
純米酒(60%精米)を一升つくるのに必要な玄米は 2.5kg!
そんなにぎっしりお米がつまっていたとは〜! 飲めば田んぼも救われる。高値で取引される酒造好適米は農家さんもやる気がでるというもの。いい純米酒が適正価格で昔のように売れたら、蔵元、農家、田んぼに日本にいいことだらけ。飲みましょうぞ!皆さん。飲むんだったらまともな純米酒!!
会終了後、亀専務が足早に向かったのは
新丸ビルの5階
新八さん。女将の愛さん。
亀専務のMy 箸とスプーン。常に持参。
亀専務は飲む前に必ずみそ汁を飲むのが習慣です。
今日はおつかれさまでした! かんぱ〜い。かんぱ〜い!ほっとした亀専務が、新八・佐久間Jr.に注ぐ。ミュージックセキュリティーズの担当おふたかたにも注ぎます。 嬉しい瞬間。
村公一さんのスズキが登場。2日間寝かしたそうです。新八では寝かせるのは長くても5日といいます。
滋味深い肴もあり。
いい話を聴いたあとの、純米酒のお燗は最高! イケメン蔵元(>ε<)に直でついでもらって贅沢すぎ! 日本酒っていいなあ〜を、しみじみ味わった夜でした。
大阪といえば!山中酒の店
October 23, 2008日本酒の品揃え、そして飲める店がある! 人柄も抜群!と、総合点でいけば日本一ではないか!と思う酒屋さんが山中酒の店です。焼酎、ビール、ワインは無し。純然たる日本酒専門店。先日の岡山の帰りに山中社長をゲット。休日でお店の4階の店「佳酒真楽(かしゅしんらく)やまなか」はお休みとのことで天満の店へ一同go。ひるちゃんは飛行機で帰るところをキャンセルしてつきあってくれました!わーい。
岡山へ。そして大阪は天満へ。立ち呑み・天ぷら やまなか。椅子席もあり。一升瓶から注ぐ。
ベジつまみ3種。
王祿を飲む。名物の天ぷら、かき揚げの色がきれいです。おちょこに入っているのは
「車坂 熊野古道酵母」。 熊野古道の土中から採取したという酵母を使った純米吟醸。うっすら色がついて酸味も甘みもある一風変わった味わいのお酒。「山廃純米 不老泉」「朴」も飲む。にんにく揚げも頼む。
その後、お店の近くにあった韓国料理やさんへ、小腹がすいたということで入店。
今度はマッコリ
まだイカを! たくさん入るー
韓国つまみ3種。
そして移動。プライベートルームで飲み直し!? 今度は東北泉。ちかさんこんばんは。いただいてます。
稲庭うどんをゆでた後、違う麺料理へトライする料理記者歴20年の比留間女史(最新刊はこちら)と山中社長。ふたりのコラボ麺! 怪しい(笑)
冷凍りんごの意外な使い方を山中さんに学ぶ。
誰かそろそろ酔ってください……。by山中さん
そして翌朝! 聖地 山中酒の店へ!
おはようございます! 外と一体となった販売店舗には、午前中の気持ちいい風が流れます。
写真左)この冷蔵庫に入っているのはすべて「試飲用の日本酒」です。充実の品揃え!季節柄「ひやおろし」もたくさん。
写真右)商品はすべて冷蔵庫ルームに。温度違いで3部屋あります。そのうちの1部屋。どこまで行っても日本酒がつづきます。
マイナス5度の部屋もあり。寒いため、入り口の階段にはダウンジャケットが用意されているのです。
大阪まで行けないわ〜っという方のためにインターネット通販もあり。
お酒を選んで戻ると、なにやら山中さんが手に持ってます。お皿。具材がたくさん!
囲炉裏に鍋が!
そして炉端タイムにいきなり突入〜
初めて食べました。生ピーナッツの殻ごと炭火焼き! 香ばしくてなかなかオツな味。
伊勢芋も炭焼きに! ほくほくして美味。そしてイカがあぶられ、各種珍味がぞくぞくと焼かれていくのでありました。
ゆっくり、のんびり、じわじわまったり。火を見ながらそれは素敵な時間の流れ。そして気がつくとあっと言う間に夕方。
ご縁をつくってくれたのはすべて日本酒!山中さんありがとうございました!
10月23日 EAT JAPAN in Tokyo Marunouchi
October 21, 2008お知らせです。
日本酒に目覚めるきっかけをつくってくれた神亀酒造の小川原良征さんが、以下のワークショップを開催。藤田千恵子さんと一緒に当日、会のお手伝いをします。
入場無料!(ただし申し込みが必要です)
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EAT JAPAN in Tokyo Marunouchiが提案する、「大人の食育・食体験」をテーマにゲストを招いてワークショップを開催。全ワークショップ参加費は無料です。どんどん応募して下さい。
「旨い純米酒を守る、それは豊かな時間を育むこと。」
日本酒とは、日本の主食であるお米から生まれる、日本文化と一体となって、先人達から引き継ぎ、次の世代へと手渡される伝統産業です。
その中でも、国産酒造好適米と麹と水からのみ作られる純米酒を通じて、日本酒産業の活性化に取り組む全国22の酒蔵団体「全量純米蔵を目指す会」の蔵元を講師に招き、伝統産業として、地域の食文化との関係性を体感していただきます。
イベント詳細情報
講師 :
小川原 良征
神亀酒造株式会社専務取締役
開催日時 :
2008年10月23日(木)19:30〜21:00
会場 :
新東京ビル1F・丸の内カフェ
お申し込み先
このワークショップの参加者を募集いたします。
参加をご希望の方は下記メールアドレスまでご連絡下さい。メールの本文には参加を希望するワークショップ名称「旨い純米酒を守る、それは豊かな時間を育むこと。」とお名前、ご連絡先をご記入下さい。marunouchi@syokuryo.jp
岡山・稲刈りツアーLast 田んぼの記憶
October 20, 2008実験田から移動して別の田んぼへやってきました。
「田んぼの中央部分の稲だけが倒れています」と丸本さんが手をのばすその先は
あら、ほんと
線を引いたようにまっすぐ倒れています。
なんでもその昔、ここに用水路が通っていたそうです。
田んぼを借りた時点では、用水路はなくなっていたそうですが
毎年、このようにこの部分だけ稲が倒れるのだとか。
山「稲が無いとき、表面に違いはあるんですか?」
丸「まったく見た目には変わらないのです」
田んぼ用に整地され、表面的にはなくなっていても、土地の記憶はしっかり残るということのようです。
だからこそ田んぼを借りる時には調査が必要!と丸本さん。
「ハードウエアで重要なのは田んぼ。いい田んぼでなければ、品質も生産性も落ちてしまいます」
「借りてくれ〜という使いにくい田んぼもありますが、そんな田んぼを借りたら経営破綻します」
水系、水量、高低差、日照など、田んぼのクオリティを決めるものにはさまざまな条件が。田んぼで勝負が決まる。ハードウエアが何より大事という話を聞いて、なるほど!と思うのでありました。
さて、こちらの田んぼの脇を見ると、ジャンボタニシがゴロゴロ。
↓ピンクの丸い玉のようなものはジャンボタニシの卵だそうです。
初めてみました! かわいいピンク色。
さて、また移動。↓次なる田んぼは酒造好適米の「雄町(おまち)」
山田錦と比べると低く、雰囲気も違います。
実の外殻にある針のような堅くて細い毛が「のげ」または「のぎ」といいます。麦の穂にはしっかりありますよね。米も古代米には見られます。
「山田錦のお父さんは雄町、彼は原始品種。山田錦のお母さんは渡船で、そのお母さんは山田穂。彼女も原品種。
山田穂はすっごく「のげ」が長いそうです」
観察する松崎晴雄先生と典子さんご夫妻。雄町米はおふたりの身長と比べるとわかるように、背丈が低いです。
人生いろいろ、米もそれぞれ!
今年は有機栽培の稲はすでに刈り取られた後で、とっても残念でありました。稲刈りのタイミングはお天道さま次第。次回、チャンスがあえばハッピーです。
丸本酒造は9.5ha栽培しており、その内、有機JAS認定を受けた田んぼが5a。別に2.3haが転換栽培中です。
岡山・稲刈りツアー5 窒素量違いの実験田
October 19, 2008山田錦の玄米ご飯弁当をいただいた後は、田んぼでお勉強。
稲は間隔を広く植え、風通しと日照を考慮。 ポット苗で植えています。
窒素量違いで実験したという4つの田んぼを見学しました。
まず、1つめは窒素が10アールあたり2kgの田んぼです。
化学肥料の三大栄養素は窒素、リン酸、カリですが、化学肥料にはこの三成分がほぼ2:2:1の割合で含まれているそうです。2kgというのはこの田んぼに入れた化学肥料のうちの窒素成分の割合の重量です。
この田んぼの稲はしっかりした葉が黄色味がかり、籾も大きく粒揃い。たわわに実ってそれはご立派。
こちらは三黄の稲(さんおうのいね)という育て方です。
一度目は苗の時、二度目は少なめの肥料が切れる夏場、三度目は刈り入れの時期、都合三回稲が黄色くなるのが三黄の稲づくりだそうです。
そして、2番目は窒素量が10アールあたりゼロ(まったく入れなかった)田んぼです。
こちらの田んぼは肥料をまったく入れてません。
近くで手にとって見ると籾が小さく、すかすかしていて、見るからにひ弱そう。葉も青く、倒れやすく危険な稲。慣行栽培で肥料を入れないと、こんなさびしい稲になってしまうことがわかりました。
もちろん、
何年もかけて土を作った有機栽培は別ですよ!
そして
3番目の田んぼは10アールあたり4kgの窒素量。
4番目の田んぼは10アールあたり8kg。*一般的な飯米(はんまい)の田んぼはこのくらいの窒素量が平均だそうです。
3番目と4番目の田んぼの稲は粒も大きくたわわに実っていますが、葉が大きく、背が高く育ち過ぎて倒れていました。
↑いっせいにお休み中。
普通の慣行栽培の田んぼでは成長抑制剤を使って、倒れないように、稲を低く育てるそうです。窒素8kgと成長抑制剤を併用し、収量を上げると同時に粒を大きくしているとか。
倒れた稲を持ち上げると胸の高さまでありました。
でも、実はたわわ。葉の色はまっさお。
「不自然にあおあおした色の葉っぱを見ると気持ち悪いです」と丸本さん。
「山田錦」は原生種に近いため、種じたいが強く、肥料の量は少なめでよいそうです。
有機栽培の田んぼの場合、飯米だと1反あたり4俵くらい
が標準ですが、丸本さんのところの「山田錦」だと5俵は収穫できるとか。それも「山田錦」のなせる技。「山田錦はオーガニック栽培に向いている品種なんです」
余談ばなし。
*同じ田んぼでも肥料が多くなると「土が濡れっぽく」なり、多すぎると「土が腐って」しまい「土を舐めると酸っぱい」のだとか。時々、土をなめて確認するそう。「よかったらなめてみてください」
*飯米の開花は一斉にパッと咲いて、パッと散りますが、山田錦はパラパラ咲き始めて、バラバラに咲き終わり、花の咲いている期間が長いそう。これも原生種に近い山田錦ならでは。
↑10アールあたり窒素2kgの田んぼの稲。
岡山・稲刈りツアー4 ケニーさんと山田錦の玄米ご飯
October 18, 2008コンバインで刈り取られた直後の稲はこんな感じ。乾いた香りと緑の香りが混じり合います。
草さんにジャックされたオーガニック田で、もうひとふんばり。めどがたった後、遙照山ホテルで日帰り入浴。ひと汗かいた後のお風呂は気持ちいい! 着替えたら下着の中の中まで草の種子がいっぱいで驚きました。どうやって入ったのか謎。
お風呂から上がると正装のジェントルマンが!?
ベラビスタのケニーさんがお土産を持って応援にかけつけてくれました。この連休はベラビスタが貸し切り満室のため、宿泊できなかったのです。そのお詫びも兼ねてわざわざ遊びにきてくれたのでした。ほんとにケニーさんはびっくりさせるのが上手! 以前泊まった時の話はこちら。
では昼食会場の田んぼまでgo! じゃんけんぽんで助手席の座を勝負。勝利者レイコさん満面の笑み。アルファ右側の助手席の座り心地はいかに。
田んぼの前に卓が用意されていました。そこには「山田錦」のお弁当が。しかも玄米!ベジ弁だ!嬉しい〜!
ひと口食べてビックリ! 酵素玄米ではありませんか。
オーガニックの山田錦の玄米はモチモチ!うまみもたっぷり。おいしいお米は玄米でもおいしいのです。丸ごとをいただく玄米の方がお米の味のダイナミックさがわかりますね。
一同、蔵を見下ろす田んぼで集合写真。松崎晴雄先生ご夫妻も到着。
こちらがオーガニック田で栽培された山田錦を使ったお酒です。「さわやかながらコクもあり、丸本さんの青春をみるような…」と松崎先生。この瓶は100mlのサンプル瓶です。お酒についての問い合わせは丸本酒造まで。
そして、田んぼから
蔵を望む。
ケニーさんが
田んぼの中を
かえる
つづく