Archive for April, 2013
Next Entries »山二園さんの新茶さえみどり
April 13, 2013静岡県庁さんからの依頼で、沼津で5月25日に日本茶と日本酒の学生さん向けセミナーを開催することに。今回は、その内容詰めの視察でした。訪問したのは静岡県沼津市にある山二園さんです。新茶が始まり大忙し!
白磁の茶器で、自然仕立てのお茶「雲乃関」を出してくれました。受皿はジノリ製。
自然仕立て栽培で、手摘みです!
お茶の樹はカマボコ形している…と、思い込んでいる人がいますが、機械で刈り込みしやすいようにカマボコ形になっているだけで本来は1本1本長いのです。
総勢50人が一斉に手摘みする姿は壮観です
ベテランの茶摘みさん、素早く一芯二葉が摘まれていきます。
このひとかごで10kg。お茶にすると2kgになるそうです。
お昼になって手摘み部隊の皆さんランチタイム。茶畑からゾロゾロ人が。人海戦術です。
山二園さんの品評会用の茶園
驚いたのはハウス栽培ということ。天井が開いて、気温調節できるようになっています。初めてみましたよ〜。お茶のハウス!
なんでも山二園さんは、品評会用のお茶はすべて「環境コントロール型多機能ハウス施設」で栽培。かつ自然仕立て、もちろん手摘み。それらは一番茶しかとらないという。つんだらすぐに枝を膝下までカットしてしまうそうです。
しかも!!土を加温できるようにしています。
山二園の茶園主・後藤さんいわく「お茶の味の不出来を天候のせいにしたくありません。毎年同じように、おいしいお茶を作りたいのです」。そんな山二園のお茶は品評会で何度も高い評価を受けています。「無名でしたから、客観的な評価をしてもらいたかったのです」
35年前、人生の仕事にお茶を選んだ後藤義博さん。東京農大を卒業した直後の決断で、24歳という若さ。その当時から茶は卸に出さず、自社で販売。35年前から6次産業化です。
後藤義博さんと息子の裕揮さん。2人ともいい表情をしています。おいしい日本酒も好きという。
店内にはさまざまなお茶が並んでいます。
お茶は10グラムから販売! いろいろ試せるのが嬉しい
山二園さんは今まで見せてもらったどの茶園にも当てはまらないタイプ。
茶どころとして評価の低かった沼津。この地で最上質のお茶作りに取り組んだ後藤さん。
”環境を克服する技術”を徹底的に考えた丁寧な栽培方法、そして決断力の素晴らしさ!
またレポートします。撮影した茶品種は「さえみどり」です
山二園・代表の後藤義博さん「さえみどり」の茶畑にて。
撮影 RICOH GXR A16 24mm-85mm
思いやりの酒器
April 9, 2013酒器で心が熱くなった話です。色あいが素敵なこの器は、名張の醍醐・福嶋章男さんに教えていただいた逸品。
福嶋章男さんです! 笑顔が素敵な優しい方、料理もうまし!
●blog 名張の醍醐 訪問記 with きもとのどぶ
盃を載せるための台。湖の底をのぞくような爽やかブルーの五角形です。そこに盃をちょこんと載せて使います。
じつはこの器、目が不自由な方のために考えられたもの。普通の盃だと、いったん置いた盃を探す時、手がぶつかってこぼしてしまうことがあるそうです。台に手を当てれば、自然に位置の確認ができます。
位置を確認し、五角形の台に添って盃に触れば、下からすっとそのまま安定して持つことができ、こぼす心配はありません。安心していただくことができます。
すてきな思いやりの心と技に感動。
この器でお燗酒をいただくたびに、多くのことを学ばせてもらっています。
SHIKKI de SHUKI 2013
April 8, 2013漆器の酒器は口当たり温か。寒い地方は陶器よりも漆器が多かったのも納得です。色合いも朱色や溜色など、日本ならではの深い色使いがいい味を出します。朱色の漆の器に、にごり酒を注ぐと景色が最高になります。
そんな漆器ですが、お酒の味が明確になるかどうかは…わかりませんでした。まあ、無難でいい人ね…という感じ。
内堀法孝さんに誘われてアクシスギャラリーで開催の「SHIKKI de SHUKI 2013酒好きデザイナーによる器展」に行った時のこと。
会の主旨は→ 「本展は酒好きが自らのためにオリジナルの酒器をつくり、好みの酒を楽しみたい」という単純な動機から開催される展覧会です。複雑化するモノづくりのプロセスに対して、もっと素直なモノづくりをしたいという想いから、職人とのコラボレーションを通じ「想い」をカタチにすることができました。信州・塩尻市内の三酒造の協力により、試飲による器体験も可能」 という実践的な酒器展!
器がお試し放題! 「見て、触れて、味わえる」展示されている酒器に本物の!?お酒を注いで試せる体験型の展示会。わかったのはデザインの重要性!器は使ってみなくちゃわからない
↑内堀法孝さんです! デザインしたのはこの器↑画像ではよくわかりませんが、円筒型で蟻地獄!?のようにストンと落ちているのです。
内堀さん、じつは時計のデザイナー
地元の若手漆器職人さんとコラボ★
「kakumaru」
デザイン:内堀法孝
漆器制作:伊藤寛司商店、木曽漆工、未空うるし工芸、丸嘉小坂漆器店
内堀さんデザインの酒器、色は3種類。唇があたる部分は極薄で、そこからグッと下がる(蟻地獄)のような形。さて、どんな味わいになるのか?想像つきません。
(左)表面張力ギリギリまで注いでみました。(右)タッグを組んだ若手職人の岩原さん、升とトレーを担当。
内堀さんのコンセプトはカクマル!
●このblogに詳しい解説あり→kakumaru
↑なのだそうです。昨年は「1日1合」で枡のタイプを作製。それじゃ量が足りないと・・・
片口と器。カクとマル=カクマル
その他にも様々なデザイナーが考えた酒器がズラリと並びました。これが試せるのが嬉しい!
そしてお料理も漆器の皿に
漆器に並べられたフード。かわいい系のおつまみだと思ったら、女子大生の作。昭和女子大学環境デザイン学科の生徒さんが担当されたそうです。
スタッフ披露コーナー。右が女子大生ズラズラ、日本酒はほとんど飲まないという。これから飲んでください
初めていただいた美寿々酒造さんの美寿々・純米吟醸 美山錦 無濾過生
他、笑亀酒造さん、 丸永酒造場さんのお酒も。蔵元さんからひとことずつ
さて、実際、内堀さんの器で飲んでみました。一緒にいった浅井直子さんと試した感想は!「おいしくなる(驚)」
意外なことに、お酒の欠点を消し、きれい系の味にチェンジ。いや、予想外に(内堀さんスミマセン)おいしくなったことにビックリでした。狭めの口径と口が当たる部分の極薄形状これがキモかもしれません。飲んでみなくちゃわからない〜
こういう体験型の展示会はいいですね。
見ただけではわからない味わいの違いがその場でくっきり!よくわかります。酒器は味わってナンボ。漆器もデザイン次第!を痛感しました。
SHIKKI de SHUKI 2013関連blog
●jiku AXIS Magazine
●ここから、
●facebook Shikki de Shuki
木村硝子店のsakeグラス
April 3, 2013家で使っている酒器で、最近、登場頻度が富に高いのがこの極薄タイプのグラス!
温めたお酒もこれでいただくことが多いです。
島根県の王祿酒造の石原丈径さんがきき酒するのに「木村硝子店のコンパクトが一番わかる!」と教わってから俄然興味が沸いた木村硝子店のこの製品。
確かにこのコンパクトで飲むとお酒の性質がよくわかり美味!
60年以上ものロングセラー商品だそうです。プロペラ時代の飛行機で、少しでも軽くするためビールグラスはこれが採用されていたとか。へ〜〜〜〜っ
このSAKE グラスもふくらみあってGood★ 万能選手です。
商品名そのものが「SAKEグラス」
そして、極上の味わいが得られるのが「バンビ」という名のグラス。足が短いので和食器とのバランスも良好。
繊細な味のお酒を味わう時は特に活躍する極薄グラスたち。この4種の中でも、苦味が強く出る、こざっぱり感じるものなど、お酒との相性もあり、試してみなくてはわかりません。
ホテルベラビスタ主催のイベントも王祿と木村硝子店とのコラボがありました。
●blog 2011王祿×木村硝子×ベラビスタ
木村硝子店のPRESS DAYへ
木村硝子店は「機能と美のバランス」にこだわったモダンなデザインワークが特徴。シャンパングラスひとつとっても、泡の立ち方、泡の持続時間もデザインによりまるで異なります。
泡を新作含めた3タイプのグラスで試させてもらいました。
三種三様! 甘味が強く出るものや、ドライな味になるものなど。ワインとの相性、好みも関係してきます。
なんでもガラスの素材が変わると、同じデザインでも”泡立ちしない”ことがあるそうです。新素材がいいとも限らない。
さて、日本酒にはどんなグラスが向くのか!
長期熟成酒には断然、ソムリエ田崎真也さんデザインのシリーズが最高という。
最近、日本酒が飲めるようになった!?という木村祐太郎さんに色々と教わりました。
酒器は奥が深いです。どうせ飲むならおいしさ最高の状態で飲みたい!
というわけで、勉強を続けます
日本酒の器に思う
April 2, 2013↑リーデルの大吟醸グラス(画像はリーデルから許可得て拝借)
常日頃、日本酒を飲むにあたり重要だと感じるのは「器」です。
日本酒ほど酒器の素材と形にバラエティがあるお酒は、他にありません。
素材は磁器、陶器、硝子、漆、錫、杉と様々。
形も、ぐい呑み、平盃、猪口、枡と、色形ともにバラエティに富んでいます。
器次第で味わいがガラリと違うので、家では1つのお酒をいろいろな酒器で飲み変えて楽しんでいます。
↑我が家の酒器引き出し。グラス類は別に収納。どれで味わうか見てるだけで楽しい!
ワイングラスといってもさまざま。味がそれぞれに異なります。
・
苦手なのは「こぼし酒」です。
あれほど酒の味をマズくするものはありません。手がベタベタし、しずくがたれて服に落ち、ろくな展開になりません。前屈みになる姿勢もどうかと。
また、器がちゃんと洗われているのか不安。秋田杉の新品の枡なら意味合いも違ってきますが、こぼし酒に使われる枡はほとんどが漆器風。そこにミニグラスを入れるパターン多し。枡の四隅きちんと洗ってる?グラスの底洗ってる?さっきテーブルに置いてなかった? 不安がいっぱい。こぼれた部分の酒のマズさったら。丁寧につくられたお酒に失礼極まりなし!
繊細で美しいデリケートな味の日本酒だからこそ、最高においしい状態で大切に飲みたいもの。というわけで、こぼし酒撲滅運動(ひとり)展開中です。
世界でもっとも使われている酒器といえば、なんといってもワイングラス。
そのワイングラスに注いだ時においしいお酒ってどんなタイプ?
それを問うのが「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」
●2011年に審査員で参加→ワイングラスで日本酒を・WGOアワード2011
グラスで飲むと、お酒の微妙な色や粘度、香り、長所と短所も明確になります。
着々と増えている海外での日本酒。
世界中のレストランで飲まれる日も遠くない今、改めて日本酒をワイングラスで飲むことについて、考えるきっかけになる審査でした。
酒文化研究所の山田聡昭さんいわく「今年は入賞酒試飲パーティあり」と。4月22日に六本木ヒルズで開催だそうです。
ここで使われるグラスは、リーデルの「大吟醸グラス」足のないタイプ http://shop.riedel.co.jp/riedel/a-a/414-22.html
これに見合うお酒なのか、どうなのか。酒蔵が選んだグラス向きのお酒を確かめるチャンス
◎「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」
会費は3000円
自分が使ったリーデルの大吟醸グラスはそのまま持ち帰りも可。その味わいを自宅でも楽しめるという趣向。へ〜っですね。
お申し込みはこちら↓から。
https://www.s-db.jp/entry?k=74f2f0701851bedd16883451be2395c0747%2CeI
●会詳細↓
http://www.finesakeawards.jp/2013/awards2013.html
●blog 2009年8月「日本酒を飲む器。獺祭の提案」
プルーンを純米酒で
April 1, 2013ドライフルーツをお酒で戻すと、ふっくらジューシィになります。甘みがある純米酒を使えばまさにドンピシャ。「純米酒BOOK」でも”純米酒のマチェドニア”(マチェドニアはイタリアのフルーツポンチ)を紹介しましたが、純米酒はデザートにも抜群です!
↑これは有機栽培のプルーンを「新政」を注いでひたひたにして一晩〜。皮もやわらかく、ドリップも美味。乾物がふっくらもどって、お酒のつまみにもピッタリ。日持ちもしますしね。器は伊藤環さんです。
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