Archive for December, 2013
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December 27, 2013casane tsumugu 田宮 慎さん経由でSさんから天然秋田杉の鏡が! カクチョウの佃煮と、最新号のんびり付き! ありがとうございました*\(^o^)/*
美しい柾目、爽やかな杉の香りに癒されてます。早速、お気に入りを写しこんでみました。
casane tsumugu 田宮 慎さん経由、Sさんからサプライズギフト到着!
樹齢200年以上の「天然秋田杉の鏡」で、美しい柾目が見事。爽やかな杉の香りが室内に広がって、慌ただしい年末の空気を一気になごませてくれました。
秋田杉で食以外の工芸品は初めてですが、長い時を経て生まれたものは違います。製作は曲げわっぱ界の老舗メーカー・大館工芸社さん。フレームは、曲げわっぱ二重巻きと手が込んでます。室内に秋田の森のいい空気が流れ出しました。
早速、お気に入りのカエルのデキャンタを写しこんでみました〜。ありがとうございます。
一緒にカクチョウの佃煮と
最新号「のんびり」付き!
今号の表紙も楽しいっ ↑のんびり表紙撮影裏話
裏表紙は羽場こうじ店・鈴木百合子さんとご主人の鈴木雅秀工場長
百合子さんは「旬菜みそ茶屋 くらを」をオープンしたばかり。自慢の喜助味噌を使い、とっておきの味噌汁をふるまうそうです
羽場こうじ店の味噌胡椒ファンです 特にカレー味
時間×技×心がつまった秋田のお宝!バンザイ
White Beauty Sparkling
December 24, 2013クリスマス・イブ! 特定の宗教はありませんが、ツリーやキャンドル、赤いポインセチを見ると無条件にワクワクします。樅の木を室内に置くと、いい香りがするから好き。
思いますに、寒いこの冬の時期を単純に楽しくするからだと思います。楽しいは体温も上がる(気が)
北欧ではキリスト教以前から、”冬至祭り”があったそうですし、降誕祭を太陽信仰とくっつけた(利用した)説もあり。ずっとずっと昔は、冬至が1年の始まりだったとも。
冬至を境に春へまっしぐら。その日を迎える喜びは、世界中の人の喜びだったことは間違いありません。
というわけでクリスチャンではありませんが、クリスマスは寒い冬に春を祝う冬至祭の感覚です。
そんな時の一杯目は、やはり「泡」♥ 弾ける泡は、景気も良いし 元気な泡を見ているだけで、発酵ありがと&おつかれさんと声かけたくなります!
炭酸水に含まれる二酸化炭素は血行を良くし、新陳代謝を促進、食欲もわくそうです。泡を飲むと一瞬で元気になる(気がする)のは、まんざらウソではないようです。
さて、日本酒業界からも「泡」酒がいろいろ出ています。種類が増えるのはいいことですが、ちょいと甘すぎるのが多く、食事中にはあいにくい。
富久長を醸す今田酒造さんがこの冬に出した「White Beauty Sparkling」は爽やかきれいな純米酒。飲みくちすっきりのドライ系で、パチパチ活性しています。
杜氏を務める今田美穂さんは同い年。男前!?な彼女が造るお酒は八反草の米だったり、地元柑橘を使ったり、企画も面白い。酒質も年々美味しくなって、その変化は頼もしい限り。
今季、大定番「白美(はくび)」を「White Beauty Sparkling」名で発売。蓋を開けると、底のにごりが元気よく立ち昇り、勢いよく泡が弾けます(決して瓶を振ってはいけません)300mlボトルなので冷蔵庫に収めやすく、テーブルにおいてもサマに。注ぎやすく、飲みきりできてgood★
以下、美穂さん説明文です。年末年始の一杯目は、こんな日本のお米原料の弾ける白泡でスタートもいいですよ〜
↓ ↓ ↓ click
クリスマスやお正月、記念日などのテーブルに花を添える一本です。瓶の中で酵母が生きて発酵している、炭酸ガスの刺激が心地よい活性のにごり酒です。商品中でも発酵が続くため、炭酸ガスの強さは変化しますが、シャンパンのような発泡性を想定して作っております。
冬至といえば柚子
December 23, 201322日は冬至。一年で最も昼が短い日です。
まだまだ寒くなるのに、昼が少しずつ長くなるとは信じられない…と毎年のように思います。
冬至なので、お風呂は柚子湯に。皮は桂剥き⁈し、実は四等分してネットに入れお湯の中でモミモミ。香りを満喫! なんとも贅沢な気分
柚子湯は香りもいいし、オイル分が出てお肌もすべすべ。
日本人は季節の楽しみ方が上手だな~としみじみ思います。
柚子は高尾の八百屋さんで一個50円で購入。こんなに贅沢な天然の入浴剤が50円ですよ。シアワセ
冬至にはカボチャ、小豆を食べると良いといわれます。小豆の赤には”魔除け”の意味もあるとか。食べて温め、柚子湯でポカポカ。これで寒さをしのぎ、新しい年を迎える準備を心身ともにととえる…ということなのでしょう。1年の終わりを感じます。
柚子風呂が気持ちよすぎて泡タイム with アーモンド
今日もいい一日でした〜。
シアワセだなボカァ…と口についてでる深夜
冬至には「ん」がつくものを食べると縁起がよく、金運UPにつながるとも。
ナンキン、ダイコン、レンコン、ミカン、キンカン…と「ン」がつくものが旬でもあります。
「運盛り」は「ン」のつくもので
あっ
シャンパ「ン」!!
・・・
いや、今宵はカバでした……
櫻井家で富山の幸α
December 22, 2013臨月のかおりさん応援訪問(^.^)櫻井家へ。
富山県出身のかおりさん。出産はご実家で、そして富山県庁勤務が長かった櫻井さん。このふたりゆえに、富山の幸ズラリ。お酒は満寿泉「一号 」& 満寿泉「純米大吟醸」。富山のガラス作家の器でいただきました。
ごちそうは、富山の柿太水産さんのアンチョビ風ソースを野菜につけて。富山のねんじり亭さんが作った麹を使わないかぶら寿司などなど。
ワインは仏からハンドキャリーしたというAB認証のヴーヴレイ。
圧巻は、櫻井さんがボストン時代、お客様がくるとよく作ったというロブスター蒸し!
来年は家族が増えて、ますますにぎやか。楽しみです *\(^o^)/*
臨月のかおりさん応援訪問(^.^)櫻井家へ。
富山県出身のかおりさん。そして富山県庁勤務が長かった櫻井さん。このおふたりゆえに、富山の幸がズラリ。お酒は桝田酒造店の満寿泉「一号 」& 満寿泉「純米大吟醸」を富山在住のガラス作家の器でいただきました。
ごちそうは、富山の柿太水産さんのアンチョビ風ソースを野菜につけて。
富山のねんじり亭さんが作った麹を使わないかぶら寿司などなど
ミルフィーユみたいな重ね方! 複雑甘酸っぱい味に驚きました。
そして、仏からハンドキャリーしたというAB認証のヴーヴレイも開栓! 圧巻は、櫻井さんがボストン時代、お客様がくるとよく作ったという生のロブスターを蒸して。
来年は家族が増えて、ますますにぎやかになる櫻井家。今からその日が楽しみです
撮影 iphoneカメラ
朝カル12月「年末年始の純米酒」講座・酒肴
December 20, 2013毎回「楽しむ純米酒」講座では、お酒とおつまみも用意するのですが、12月は屠蘇酒、樽酒もあったので、お正月らしいつまみを考えました。
「松前漬け」
昆布は喜ぶ=喜寿にかけた縁起もの。ヨロコンブ〜♪ 喜んでみんな仲良く!というわけで「昆布」を使った松前漬け。昆布もスルメも国産。カット済みの商品なら、ただ混ぜるだけで超簡単! 人参をかるく干して、おめでたい丸形に薄く切って加えました。調味料は純米酒、醤油、本みりん
松前漬けはすばらしくヘルシー!酒のつまみにもぴったり。冷蔵庫で4〜5日は持ちますし、何しろ簡単なので、普段にもっと食べたいなあと今回作って思いました。
数の子、生姜、唐辛子、干し大根を入れてもgood。食べる時に、茹でた青菜、薄く塩漬けした白菜とあえてもいいですね。
それから!なんといっても
「蒲鉾」
(左)鱧入りと(右)スタンダードな蒲鉾。蒲鉾は形が ”日の出” に似ていることから、新春を迎える喜びをあらわすといわれています。色の紅はまさしく日の出、魔除け。白は清浄や神聖を意味するとも。板つきの蒲鉾は、板につく!? ことから、勝負運がつくとかつかないとか。
●お豆
「黒豆」
まめになり、まめまめしく動き、まじめに生き、健やかに暮らせますようにの願いをこめて。
来年は筆まめになり、こまめに片付ける人になりたいと思います と自分にいう。
「大福豆」。大の福の豆ですからね!
そして「ひたし豆」と数の子。緑のお豆で爽やかに! 甘辛い味が多いのでこんな一品があるとホッとします。
そして、これ!
た・づ・く・り
「田作り」
昔は、いわしなど小魚を田んぼの肥料にしたことから、田んぼを作る縁起物。稲の豊作、五穀豊穣を祈願する意味があります。
「数の子」
ニシンの子。ひと腹の卵の数が多いことから、子孫繁栄の願いが込められています。
数の子は早く味がつかるよう、また、あとで何かに加えられるよう、小さなサイコロ形にカットしました。針生姜と。
「きんとん」=「金団」です。宝物的意味あいが。お金がたまるよう巾着で金運アップ!
栗は入れず、紫芋とベニアズマを塩少々で蒸してつぶしただけ。芋半々ずつ茶巾包みにしました。これだけで充分甘いです。ただ、甘みをつけない分、日持ちしませんが、蒸すだけで簡単なので毎回作ってもいいくらいです。
おせちはどれも甘すぎて酒のつまみになりにくいもの。甘みは砂糖ではなく、みりんを使い、ほのかに甘くなる程度がいいと思っています。
___________________
●おせちの他は、恒例のおつまみ!
お酒の味はひとつじゃないので、いろいろな味と組合せて判断するのが大事だと思っています。
甘酸っぱい「赤蕪漬け」。「銀杏」シブにが味。
「サーモン」粒マスタード、黒胡椒、オニオンスライス。「菜の花」塩ゆでを練りゴマ醤油だれで
「鰯のごま漬け」千葉の郷土料理です。甘く酸っぱい系
「湯葉」山葵漬けで。永平寺町の「胡麻豆腐」
●乾き物
「オキアミ」「ちりめんじゃこ」
そして、なぜか八つ橋も(笑)。卵酒にシナモンをふったことと、最後の最後に、シナモン、紅茶、クコの実などで風味づけした薬草風味の燗酒もお出ししたので。
お教室は紙皿ですが…。
来年も良い年でありますように「開運」!
ありがとうございました。
白砂糖を使わず、みりんで作るクリーミィなカスタード風卵酒も披露しましたが、これは動画を撮って後日、アップしたいと思います。
講座担当の伏木さんがこの卵酒を飲みたい!とリクエストあり。講座終了後に再び作製。
伏木さんです。おいしい〜と目を細めてこの顔してくれました
今回、大好きな♡近藤淳子さんが参加してくれました 終わってからパチリ
年内の講座6回も無事終了!
来年は水曜から土曜に変更です。大人数だと準備が出来ないので、あまり受けられませんが……(って、やり方を少し考えなくちゃいけません。課題です )
伏木さんが「純米酒BOOK」を読んで「ぜひ!」と始まった朝日カルチャーセンター新宿教室。
2014年が来月から新たにスタート。”日本酒まったく初めてさん” “もっと楽しみ方を知りたい” という方、いらしてくださいませ。 醸造学ではありません。「楽しむ」を主体においた教室です。単発受講もOKです。
◎「楽しむ純米酒講座」
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=230463&userflg=0
蛇の目模様
December 19, 2013ひとつ前の続き。きき猪口の底に描かれた青色の2重の輪=蛇の目模様。酒の色や濁り、透明度をみるためと言われています。その「蛇の目」について、白扇酒造の加藤孝明社長に教わったこと
鏡餅は蛇から酒に通じる
「お正月、床の間に飾る鏡餅は、蛇がとぐろを巻いている姿なんですよ」
鏡餅の上に飾るみかんは蛇の頭!? 真上から見ると確かに似ています。
「昔から蛇は神様のお使いと考えられてきました。鏡餅を真上から見ると同心円でしょう、これは蛇の目なのです。蛇の目は、日本酒のきき猪口の底にも描かれているように、魔を払う力があるのです」
神社の注連縄は蛇の雄雌がからみあっている姿で、結界の意味があるといわれています。渦巻き模様も蛇がモチーフ。異なる大きさの2つの輪は陰と陽とも。蛇神信仰もあるし、蛇の古語は「カガ」という説もあり。
単純な形の中に、いわれが山ほどあります。
きき猪口底の蛇の目。色やにごりを見るためだけなら、違う模様もあった!?
昔から続く季節の行事は、意味や教えがたくさん含まれています。行事をやめてしまうのは簡単ですが、何も考えず閉じてしまっては勿体ないように思います。
お正月は、なにもかも新しい気持で迎える日。
まずは、お米の酒の屠蘇酒でも飲んで、いろいろ考えてみるのもよいかもしれません
朝カル12月「年末年始の純米酒」講座・屠蘇酒
December 18, 2013朝日カルチャーセンター 新宿教室 講師 山本洋子
「楽しむ純米酒」12月11日(水曜日)
新しい年に向けて飲みたい純米酒をセレクトして楽しみます。
〜年末年始に相応しい純米酒。蔵直送の新酒。樽酒。純米お屠蘇。純米卵酒〜
「樽酒」の続き。朝日カルチャーセンター 新宿教室で12月11日「楽しむ純米酒」講座を開講。〜年末年始に相応しい純米酒。蔵直送の新酒。樽酒。純米お屠蘇。純米卵酒〜特集!
↑写真上は「屠蘇散」を純米酒に漬けたもの。淡いゴールドカラーがきれいです。
朝カル教室風景
「お屠蘇」と呼べるのは、生薬を配合した屠蘇散(とそさん)を入れたお酒だけ。生薬とは、桂皮、山椒、生姜、山梔子(さんしし)などが代表的。
一年間が健康で過ごせる薬効あらたかな薬酒が屠蘇酒なのです。
「酒は百薬の長」ともいいますが、「長」の中でも間違いなくトップでしょう。この寒い時期に飲むのことにも意味がありそうです。
良薬は口に苦しといいますが、良薬は口にうまし!甘し!
本みりんや純米酒で作れば最高の屠蘇酒ができます。
セミナーでは、右「三年熟成本みりん」と、左「純米酒」で作った屠蘇酒を飲み比べました。みりんの日本酒度はマイナス200といいますから、そうとう甘いです。
ひとくちに「みりん」といっても、中身と味が、天国と地獄!?ほども違うのです。普通に安くスーパーで売られているものは、原材料と時間、コストもかけないケミカルで簡易的な造り方。安いといってもそれなりです。
「三年熟成 本みりん」は昔ながらの造り方で、酒蔵・白扇酒造さんが日本酒造りから手がけています。
本来、みりんの原料は「もち米、米麹・米焼酎」のみ。
・
●みりんができるまで
1 まず、日本酒を造り、その日本酒を蒸留して米焼酎にします。そこへ米麹と、蒸したもち米を入れて「みりんもろみ」を造ります。
2 そのみりんもろみを90日間かけて、ゆっくりとタンクで発酵。焼酎の中で、もち米がじんわり溶けて、うまみを含んだ甘みに変化するのです。
「焼酎の中で甘酒を造ってるようなもの」と社長の加藤孝明さん。
3 発酵が終わったみりんもろみを袋にいれて絞ります。さらに、とがった甘みが丸くなるまで、3年間かけて熟成。
「昔はご婦人方のナイトキャップだったそうです」と加藤社長。飲んでおいしいのがみりんなのです。
そして
「ハレの日の食事は餅や赤飯など、必ずもち米です。新年のお屠蘇にふさわしいのも、もち米からつくる味醂だと思います」
●みりんの麹づくり
●みりんの仕込み
これが昔からのみりんですが、世の中で大多数を占める ”なんちゃってみりん”は、糖類、うまみ調味料、酸味料、アルコールに、塩が加えられていることも。また、原料のもち米はタイなど海外産多し。
日本は米が余って減反していますが、結構お米を買っているのです。
みりんは日本が誇るべき伝統的調味料! それなのに国産原料さえ使わず、発酵もなにもかも簡略化された添加物だらけの方が多いとは……寂しい限りです。
◯お屠蘇の意味
お屠蘇の「屠」は邪気をはらい、「蘇」は魂を蘇生する意味があるといわれています。お屠蘇の風習は中国から伝わり、宮中の儀式に使われ、その後、各家庭で正月に長寿幸福を得る儀式として広まりました。
◯お屠蘇の作り方
大晦日の夜、屠蘇散(漢方薬局で販売。ネットでも見つかります)を、本みりんか純米酒(または両方のブレンドで)酒器、急須などに入れ、10時間ほど浸します。元旦の朝、盃に注ぎ、年少者から順番に飲んで新年を祝います。
白扇酒造さんでは、この時期の新酒には屠蘇散をつけて販売。今回は便利なのでこれを取寄せました(送料315円は嬉しい!)
新酒とみりんセット2625円
「最近は屠蘇散をつけても作らない人がおられまして、屠蘇酒を作ってほしいというリクエストで作ったのがこの屠蘇酒です」こちらは180mlで420円と良心的価格。年末の小さなgiftにも重宝します。
じつは、この「みりん屠蘇酒」、お料理にも使いであるのです。
↑中華風の大根漬けです。「みりん屠蘇酒」と醤油を1対1くらいで合わせ(好みで増減)、酢か柑橘の搾り汁を好みの加減で少し入れて調味。花椒をパラパラと入れて漬け汁を作ります。
大根を薄切り(↑写真は桂剥きにしてカット)して漬けます。ビニール袋に入れ、揉むようにすれば漬け汁が少なくてすみます。急いで食べたい時は写真のような薄切りで。時間があるときは拍子切りなど。冷蔵庫で3〜4日保存できます。
その他、シジミを炒めたり、アサリの酒蒸しにちょっと使うとスパイシーで美味。砂糖よりもマイルドでコク、テリ、ツヤが出ます。米原料の甘味料は、キーンとしないやさしい甘さ。料理をグッとおいしくします。
◯白扇酒造さんに取材した時のこと。こちらに詳しく↓
●blog お正月は米の酒を屠蘇酒で
http://www.yohkoyama.com/archives/27595
「縁起樽酒」というおめでたい商品も。
朝カルつづく
朝カル12月「年末年始の純米酒」講座・樽酒
December 16, 2013朝日カルチャーセンター新宿教室で「楽しむ純米酒」講座を担当しています。12月11日(水曜)は、新しい年にふさわしい純米酒をセレクトしました。
〜年末年始にふさわしい純米酒。蔵直送の新酒。樽酒。純米お屠蘇。純米卵酒〜 特集!
おめでたい名前「開運」の純米酒を蔵から直送してもらい、チリチリとガスが残るできたて新酒を味わったり、本物の屠蘇酒を純米酒と本味醂それぞれで試したり。そして、絶品!(と自画自賛する〜笑)カスタードクリームみたいなトロッとした卵酒もその場で作って披露。
お酒とおつまみの一部
そんな中、今回あらためて考えたのが「樽酒」です。
「新年だからこそ!改めて「樽酒」を考え、日本の心を学ぶ」
このことをお伝えしたいと思いました。
樽酒は、長龍酒造さんの「吉野杉の樽酒 雄町山廃純米酒」
その昔、酒造りは杉で出来た桶と樽がフル活用。桶で仕込まれて、樽に移され、売られ…と、容器はすべて杉材でした。
↑葛飾北斎画 「尾州不二見原」
後に、”タンクで瓶詰め” が常識となり、酒から杉の香りがなくなりました。
杉の桶は高価で、大量生産には不向き。木が酒を吸って不経済。温度管理、清掃もしにくい等で敬遠されてしまったのです。
ですが、今、見直される気運もあり、木桶仕込みを再現する蔵も現れました。
杉の香味成分は日本人は好きです。DNAに入っているのでしょうか。森林浴やひのき風呂。清々しい香りは、一瞬嗅ぐだけで、ほっとします。
樽酒造りには難しい点が多々あると、長龍酒造の橋本部長にお聞きしました。
杉のエキス分のいかし方、渋味との調和、まろやかなうまみ味と香りのバランス、これらの見極めは非常に難しく、蔵では杜氏以外に、熟練の「樽添師」が専任でつくそうです。
酒は出来てからも着色が進み、香りが消えやすいため、瓶詰め後にパストライザー(急冷装置)で急冷し、樽の香りと味を封じ込めるそうです。お蔵では、長く「醸造用アルコールを添加した酒の樽酒」しかありませんでしたが、酒米・雄町、しかも山廃仕込みの樽酒を2012年秋から発売。
橋本部長いわく、「ここに至るまで何年もかかった」と。ただ純米酒を詰めても、香りがつきにくく、味のバランスも納得いくものが出来なかったといいます。たまたま雄町の山廃2年熟成を入れたら、これがドンピシャで、製品化に。
◯「杉樽ってどんなもの?」
全国で放置林が問題となっていますが、樽には国内産の杉が使われます。長い目でみれば、放置林問題にも一役買います。問題の解決策は、国産の杉に価値を見出し、どんどん使うことにあります!
では、樽酒の樽ってどんな樽?
長龍酒造では樹齢80年以上の吉野杉「甲付(こうつき)樽」を使用。
樽には甲付樽と赤み樽の2種類あり。杉は表皮に近い部分が白く、中心の部分は赤。香り成分は赤みから強く出るそうです。「甲付樽」とは、外側が白い木目で見た目もよく、酒が浸かる内側が赤み部分となった白と赤の境目部分で作った樽。
◯樽酒は冷やと燗どちらもgood★
樽酒をひとくち飲むといきなりお正月気分!
不思議なもので、杉の香りの純米酒を口に入れたとたんお正月気分になりました。樽酒は、ひや(常温)だと、清々しい杉の香りがすっきり楽しめ、温めると香り+独特のコクがふくよかになります。甘さとうまみがやわらかに広がって味わいUP! お燗で飲む樽酒はおいしい。
橋本部長のおすすめは50℃にあげた燗酒を45℃で飲むこと
“燗ざめした酒の香味は落ちる”と言われますが、樽酒は杉樽のエキス分が味にあるおかげで「唯一おいしくいただける日本酒」とのこと。
純米樽酒は
冷やで飲めば、清々しい杉の香りと清澄な喉ごし。
温めると、香り+独特のコク、うまみの調和が楽しめます!
・
香辛料を使った料理、濃いタレを使う鰻蒲焼きや中華料理など、濃くてスパイシーな味つけにも相性良く、食中酒としても悪くありません。
こちらがロングセラーの(アルコール添加された)樽酒
こちらが
プレミアム樽酒 吉野杉の樽酒 雄町山廃純米酒です。プレミアムといっても720ml 1365円って、安すぎると思います。
吉野杉の樽酒 雄町山廃純米酒720ml
おすすめNEW!!
商品価格1,365円(税込)
お正月を迎える酒を考え、樽酒、杉樽を使う意味、意義を思ってしまいました。
日本人が考えなくてはならないことが、樽酒には全部つまっているように感じます。
2014年の新年は樽酒を飲んで、日本の山と木を生かす技術、伝統醸造について、考えてみてはいかがでしょう。ただし、中身はおいしい純米酒で!
●長龍酒造 吉野杉の樽酒story
朝カルの話 つづく
誉富士おもてなしセミナー3
December 13, 2013というわけで、「和食」無形文化遺産登録が決まった翌日の12月5日「食のおもてなし研修会・誉富士おもてなしセミナー」で静岡へGO!
静岡県内の旅館ホテルの女将さんたちを
神沢川酒造場で実地研修会していただき、緊張感ある酒造りの現場を見てもらいました。
座学で醸造のイロハを簡単に学び
割烹旅館西山さんへ移動。第二部「誉富士おもてなしセミナー」開始です。
酒米・誉富士
静岡県茶業農産課水田農業班 主幹の小池清裕さんから「誉富士」の育成と生産、酒造りに関してレクチャーあり
・ ・ ・ ・ ・ ・
そして
「今、お客さまは健康志向! 静岡の酒米誉富士の純米酒で心をつかむ」
とタイトルづけしたセミナーを開催。地酒を売って特徴づけして成功している宿と、そうでない宿の差は何か?です。
・ ・ ・
お客様は「価値がわからないものにお金を出さない!」これにつきると思います。
要は、不安や不便、不信感、不確実といった「不」を感じるものに手を出さない。中でも日本酒を注文しない理由はいくつもあります。以下の5つが代表的でしょう。
1 頭が痛くなる。気持ちが悪くなる‥不安
2 まずい、料理にあわない‥不信
3 値段が高い‥不満
4 旅気分が盛り上がらない‥不利
5 オヤジっぽい(若い女性)‥不確実
これを解消するサービス、商品があればお客さまの不は満足に変わります。日本酒は、そこに勝因が!
では、この5つをどう魅力に変えていくか、ひとつひとつをひも解きました。
そして、実際に誉富士の純米酒を飲み、静岡県の食材マッチング。由比の名物「桜海老」がまさに旬。刺身で茹でを山葵で和辛子で。そして静岡の名物・黒はんぺん、太刀魚の干物、蒲鉾+わさび漬けも。体感した自分の言葉で伝えることが重要。
そして、桜海老といったらかき揚げ! 特有の甘い香り。やはり生を揚げたものは段違い。割ってもエビぎっしり
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今回女将さんたちにお伝えしたかったこと!
県内で酒米を育てることに、多くの意味があることです。
●田んぼが環境を守る!素晴らしい周囲への効果
貯水効果あり。CO2の削減にもつながる。暑くなりにくい。生き物ができる環境が復活する!
結果
↓
生態として強くなる! 環境が保たれる
誉富士の生みの親である宮田祐二先生いわく
「環境に優しい農地、人と自然が共生していける連続性ある農地が、水田なのです」
宮田先生と誉富士
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●誉富士・現在23蔵が醸造
平成22年の醸造から2社、23年から1社、24年にはさらに3社、英君酒造、國香酒造、平喜酒造が加わり、現在計23社が「誉富士」の酒を醸造。
そのほとんどが純米酒!
________________________________
●なぜ純米酒を選ぶのか?
特に、海外のお客様は日本酒に興味津々。原材料や酒造りの工程の質問も。その時こそ、県の魅力を伝えられるチャンス! その時の提供酒に、米と米こうじ、水以外のものがあった場合、うまく伝えられるでしょうか。
日本酒という「醸造酒」に、「蒸留酒」である醸造用(あぁややこしい名前)の米以外の原料アルコールが入っている理由が、即答できるでしょうか?
「なぜ?醸造酒なのに? 原料は米だけじゃないんですか?」
このシンプルで深い質問に、短い言葉で答えられるかどうか。
答えたとしても、そのお客様が納得できるかどうかです。
例えば、同じ醸造酒の仲間にワインがありますが、「蒸留酒」が入っていたら、妙?と思うのが普通です。
アルコール入りの日本酒の味がウンヌンではなく、入った酒は名前を変えてほしい!と、つくづく思うのです。
・・・・・・
県産米100%を使い、富士山、南アルプス山々の恵みである水で仕込めば、県内自給率100%の純米酒です。そこに、地球の裏側からやってくる醸造用アルコールを入れたら ”惜しい” と思うのです。
県内に ”純米酒でおいしいお酒” があるなら、それを提供するのが、すんなりした考え方ではないかと思うのです。
● 静岡県・地酒の特徴
特定名称酒(吟醸酒、純米酒、本醸造酒)比率が高い
全国平均=26.6%のところ
静岡は、81.3%!
おいしいお酒が揃う県と思ってきた観光客に、他県のお酒しかなかったり、普通酒をひっくり返したお燗だけではモッタイナイ。
宿の印象を左右するのは、おいしく楽しい時間がゆっくり快適に過ごせ、翌朝、スッキリ元気に迎えられる。これにつきます。その時に、料理に欠かせないパートナー、お酒の価値をどう伝えるかです。
閉会の挨拶は静岡県ホテル旅館生活衛生同業組合女性部長の宇田倭玖子さん。
「誉」をたくさん集めて、さらに素敵なおもてなしになりますように!
女将さんたちから、その場で勉強会続編リクエストをいただきました。
_________________
さて静岡のお酒の特徴は?
●独自の静岡型酵母
メロンなどフルーツのような香り。味わいソフトで喉ごしがよい端麗辛口になる酵母。ゆえに飲み飽きない食中酒として高評価。静岡酵母は、酢酸イソアミル優勢の柔らかな果実香を引き出すことが特徴。静岡型吟醸の酒は「フレッシュで飲みあきしない」「フルーティな香り、雑味のない綺麗」「優しい味と香り、食中酒として最適」といわれています。
●代表的な静岡酵母
NO-2 有機酸が少なく淡麗
HD-1 華やかな吟醸香 大吟醸酒向き
New-5 有機酸が少なく、淡麗、吟醸香高い 吟醸酒向き
●セミナーで提供した誉富士純米酒
爽やかタイプをCOOLで
1初亀・岡部丸 55% 純米 New-5
2臥龍梅 55% 純米 協会10号
3開運 55% 純米 HD-1
4正雪 辛口純米 NO-2
5英君 特別純米 New-5
6国香 特別純米 HD-1
最後にお燗向きのホッとするタイプをHOTで
7白隠正宗 特別純米 静岡酵母
8杉錦 70% 菩提もとの介 ●blog [...]
誉富士おもてなしセミナー2正雪さんへ
December 10, 2013ひとつ前の続き。
というわけで静岡県内の旅館・ホテルの女将さんたちと、静岡県・誉富士の日本酒を学びに正雪醸造元・神沢川酒造場さんへ。洗米の真っ最中!
●blog 静岡県の酒米・誉富士3
●blog ライターまるちゃんの南部杜氏の仕込みを見た!「神沢川酒造場」
蔵内にピーンと張り詰めた空気が。こちらも気が引き締まります
洗米Shower機!
ちょうど純米大吟醸の酒米を洗米中。このShower機は醸造試験場の先生の考えをもとに喜久酔・青島酒造さんが開発した洗米機とか。神沢川酒造場さん以外の酒蔵でも使われています。made in shizuoka★
↑山影純悦杜氏が洗米中。平成25年度・卓越した技能者(通称=現代の名工)に選ばれました! 陣頭指揮にたちます。
皆さん、興味津々で覗きこむ。
酒母タンク前で説明する望月正隆社長。今年度から静岡県酒造組合の理事長に就任
酒母タンクを見た女将さんが「タンクで色が違うのはどうしてですか?」と質問あり。「それぞれに香りも違うのですよ。バナナやメロンや……」というフルーツの例えに一同、へ〜ほー。日本酒の工程は、複雑で深いです。
温かな麹室へ。酒造りに重要な麹について話し中。「ガイコウナイナン=外硬内軟」など頭で想像しにくい言葉をわかりやすく説明中。引続き、へ〜ほ〜の図。
麹は、栗、茸の香り、落とした音、触って見てかいで確認!
質問も活発。
女将さん1「麹はどうやって出来たのがわかるのですか?」
女将さん2「何年で一人前になりますか?」
望月さん「重量の変化など計りますが、機械計測よりも、人の五感が大事なことが多いです。麹の匂いは徐々に変っていきます。栗や茸の香り、また、麹の手触り、手から落とした時の音、触って見てかいでの確認が細かく必要なのです」。「一人前になるには、七つくり、かかります」へ〜ほ〜
モロミタンクへ移動
いよいよお酒に近づきました!
爽やかでスーッとした高級メロンのような香りが。モロミは泡でぶくぶく〜発酵中。この泡おいしそう!
臨場感いっぱいの現場★
そして座学は望月ドラマー♪ 専務が担当です。普段はドラムを叩いてます!(ウソです時々です)
座学では酒米、精米歩合の意味からスタート。女将会はふたつの班に分かれて勉強です
望月ドラマー専務、ことわかりにくい酒母や酵母を丁寧に説明「静岡酵母、静岡の酒米を使ったお酒は、静岡の食によくあいます!」ワインとの醸造の差、米がなぜ酒になるか、手取り足取りわかりやすく酵母が”いじめられて泣く”話に、皆さんシーン。「つきはぜがた麹、いってんつきはぜ、ポツンポツンでなければ静岡型の酒にならないのです」←言葉超省略でスミマセンm(__)m
◯女将さんたちからの質問
●秋上がりとはどんなお酒ですか?●通常は、日本酒はいつが飲み頃ですか?●日本酒の水とはどんな水ですか?●清酒と生酒の賞味期限は?などなど
蔵見学は初めてという女将さんも多く、質問もたっぷりでまるで時間が足りませんでした。
そして蔵を後にして、セミナー会場へ
静岡県オリジナル酒米「誉富士」日本酒をガッチリ学ぶセミナー。桜海老や黒はんぺん、蒲鉾とわさび漬け、太刀魚の干物等と誉富士を合わせます。coolとhot、温度も変えて試飲してもらいます。
私が用意したパワーポイント資料も131枚!
つづく
●撮影 RICOH GXR